活動報告 - 最新エントリー


◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
    
・4月の作品の紹介
・4月の兼題は、「卒業」・「当季雑詠」で3句です。
                出題:安西 円覚
                選句:俵木 陶光
        

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校塔に鳩多き日や卒業す   中村 草田男
山彦を山へかへして卒業す  遠藤 若狭男
下宿去る荷の中に寝て卒業子 黒坂 紫陽子
雇女の隠し子にして卒業す  笹山 呑海
これよりは恋や事業や水温む 高浜 虚子

 
 
俵木 陶光

・明日からは一人の道や卒業す


岡村 一道

・落暉いま埴輪の笑みに散る桜


芳村 翡翠

・教室にまっすぐ響く卒業歌


長岡 帰山

・ひとはみな生きて流さる花筏

片山 朝陽
 ・一面に空を映して田植待つ

安西 円覚
 ・卒業生送る校庭鴉二羽

中邑 雅子
 ・聞こえ来る卒業歌あり口ずさむ

小林 美絵子
 
・アネモネや包を開く京の菓子


坂井 百合子
 
・卒業証書授与さる吾子の大きな背

浦田 久
・満開の花に囲まれ卒業す

堀 秀堂
・父母も教師も共に卒業す

山下 天真
・喜びが野原を走る春休み
  
菊池 幸

・歳月を重ねかさねて花衣


村林 小枝子

・見上ぐればこれぞ桜や空の中

               
五井 夢     
・人生を短く卒業せし君よ



                          
◆<3月10日逝去された山口月山さんへの追悼文>俵木 陶光

   
「梅雨曇り僅かに重し舞扇]
山口 月山

幕末、ペリー来航の頃、若狭(福井県 )小浜藩、尊攘派であった梅田雲浜(うんぴん)は安政の大獄で捕えられ獄死したが彼らを育てたのは山口菅山(かんざん)で 山口月山さんの先祖に当たる。
また月山さんの父君は戦前裁判官として一家共々ピョンヤンに居られたが敗戦とともに立場が逆転し頼山陽の「鞭聲粛々 夜河を過(わたる)」漢詩よろしく難を逃れて帰国された由。当時朝鮮半島にいた在留邦人の立場は大変であった。

月山さんとの交流は次のようなところから始まった。
小生は中央大学を卒業しその1年後神田のK女子大学の教務課に勤務していた。それから10年後、月山さんが日本橋に本社?がある繊維会社の経理課から転勤されて来られた。(月山さんの体躯から教務課長から警備課と聞き間違えた位であった。)後日、月山さんとは大学・学部が同期であることが分かった。
  その時から数年後、職員会の中で俳句会が誕生し、二人とも会員となった。中心となった川津鱒子氏は良き指導者で句集も数冊出されていた。小生がミニミニ句集を作った時、こんなことを書いたことがある。「『少女ときに女豹の如く林檎食む・川津鱒子』に新鮮な驚きを感じ俳句に遊ぶようになった」と。
 その鱒子先生は亡くなられ指導を受けたのは7年半ばかりであった。大学以外の「武蔵野俳句会」はその後も季刊誌を出し続けて100号で終刊となった。これも月山さんと一緒だった。小生はずっと編集も手掛けていた。
  月山さんと二人、鱒子先生を含めて三人は新宿大ガードの近くのビルの地下にある「入舟」という酒場によく通った。ここのママさんも別の俳句の仲間であった。先生は作詞・作曲の「桐の実」を、月山さんはロシア民謡、陶光は日本民謡などをよく歌っていた。
 大学を定年退職してからは、OB会の中に白木蓮俳句会を立ち上げ、句会も昨年200回を超えた。
 月山さんとの交流は50年になった。その間お互いによく言い合った。高浜虚子が河東碧梧桐が亡くなった折に追悼句として「たとふれば独楽のはじける如くなり」と詠んだ。この句の前書には「碧梧桐 とはよく親しみよく争いたり」とある。月山さんともこんな状態であった。

最後になってしまったが、掲出の句について言えば45年前、泰山木俳句会第1回目の出句である。舞扇が僅かに重いとは驚いた。緊張感あってこその表現であろう。これが俳句だと思った。その時の小生の句は「冷や汗をぬぐい終りて 麦茶飲む」であった。正に冷汗ものである。これに発憤して次号には何とか納得できる句が出来て自信が出来た。月山さんとはいずれまた雲の上で俳句の話をすることもあるだろう。以下、月山さんの「訃報」のところに書いた以外の句と鱒子先生の句を数句掲げることにした。

・戦友を焼く煙真直に鰯雲    川津 鱒子     
・送別会の酒買う泰山木の花
・四月馬鹿叩けば音の出るラジオ
・メサイアを聴いて有情の時雨坂
・天茫と芽吹く雑木の漂う色                             


・早笛に餘寒風捲く修羅の舞     山口 月山
・春宵の銀座ことさら若々し
・カンバスを構へて初夏のみどり置く
・信濃路をゆけば折しも蝉時雨     
・冬涛や流されびとの島はるか
    
  

◆次回の定例句会は、5月12日(土)13時〜15時40分
                  於久我山会館
 兼題は、「風薫る」・「当季雑詠」の3句提出
                                     ◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

◆文責:  俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
    

・3月の作品の紹介
・3月の兼題は、「春風」・「当季雑詠」で3句です。


<兼題「春風」について>         俵木 陶光

桜が咲いて春風に舞う。一年の始まりは爽々しい春から。
  春風や堤長うして家遠し    蕪村
  春風や女も越る箱根山     一茶
  春風や闘志いだきて丘に立つ  高浜虚子
  泣いてゆく向ふに母や春の風  中村汀女
  東風(こち)の船汽笛真白く吹きやめず 山口誓子


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俵木 陶光

・ふる里を遠くキリンに春の風


岡村 一道

・神仏基督回教
(かみほとけきりすといすらむ)絵馬の春

芳村 翡翠

・合格の決まりし窓に春の風


長岡 帰山

・春愁の置き処
(どころ)なき我が身かな

片山 朝陽
 ・雪吊りや解かれて松の深呼吸

安西 円覚
 ・湯島天神鈴生りの絵馬梅香る

中邑 雅子
 ・雲の速さ鳥の速さや春疾風

坂井 百合子
 
・病床の君にも届け春の風

堀 秀堂
・春風の光織りなす波頭散る

山下 天真
・良寛の天上大風春の風
                 ?
五井 夢     
・蜃気楼いつも遠のく法館(ほうやかた)

村越小枝子

・宅急便扉開ければ梅薫る


菊池 幸

・踏み出せぬ我の背を押し風光る

                          
◆<私の一句>      
中邑 雅子
   
「春光や名も知らぬ山迫り来る」


 春は空からという言葉通り、3月も中旬を過ぎると太陽の光に力強さが感じられるようになり、季節が進んだことが実感されます。
 高知に移り住んで8年目、7度目の春です。高知城の天守に上がって周囲を見渡すと急峻な四国山脈が横たわっています。「高知」というと南国の明るい海のイメージがありますが実際に住んでみると80%が山なのだとわかります。
 生まれ故郷の久慈では遠島山(とおしまやま)(通称三角山)、高校生時代の盛岡では岩手山、東京ではJR中央線の電車から富士山を見ることができましたが高知市内からはそういうシンボリックな山を眺めることができません。そのことがとても残念で寂しい限りです。
 それでも、春の日差しの中、四国山脈の稜線が眼前に迫って来るようになると「ああ、春が来たんだな」と思うのです。

                               
◆次回の定例句会は、4月14日(土)13時〜15時40分
                  於高井戸区民センター
 兼題は、「卒業」・「当季雑詠」の3句提出
                                     ◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

◆文責:  俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
    

・2月の作品の紹介
・2月の兼題は、「早春」・「当季雑詠」で3句です。


<兼題「早春」について>         俵木 陶光

 「早春」は一進一退ようやく「春」のスタートラインに立ったところ。
・帝釈天春奪ふ雪降らせけり      堀口 星眠
・扇屋に相席ありて一の午       岸田 稚魚
・鳩鳴いて烟のごとき春に入る     夏目 漱石
・浅春や音一つなき楽器店       土生 重次
・武蔵野の森より森へ春の虹      鈴木 花蓑
・天深く春立つものの芽を見たり    加藤 楸邨

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俵木 陶光

・早春や一時
(いっとき)ふはと風通る 

岡村 一道

・五叉路には五叉路の歴史鶯餅


芳村 翡翠

・早春やひかりを浴びて野の仏


長岡 帰山
 
・噴水のつらら吐き出す鶴の口

片山 朝陽
 ・台所の隅に小さき紙雛(ひいな)

安西 円覚
 ・早春や女膝立て爪を切る

峯岸 まこと
 
・舟宿の軒に浮球春浅し


中邑 雅子
 ・早春や光の束をほしいまま

小林 美絵子

・ゆりかごに目覚めるいのち春の虹


坂井 百合子
 
・早春の光まぶたに集まれり

堀 秀堂
・早春の目覚める火山元白根

山下 天真
・早春の佳(よ)き日と決めて鳥集ふ

五井 夢     
・早春の足音深深山を越え

菊池 幸

・流行風邪
(はやりかぜ)背骨に染みる粥の味



                          
◆<私の一句> 
   
「セーターの似合う夜学の教師かな」
芳村 翡翠



先日の朝日俳壇で、大串 章 先生の入選句です。
「似合う」でなく「似合ふ」という旧かなが適切でないかとの指摘がありました。とくに「かな」という切れ字との関係で。しかし往々にして新かなと旧かな、文語と口語の交り合った句を見かけることはあります。

このところ、過去の句に添削を加えて見かえしております。この添削の作業は芭蕉をはじめ、子規、虚子なども盛んに行っております。俳句の大事な作業の一つのようです。私の場合も、添削を経て、昔の句がいとも鮮やかによみがえることがたびたびあり、驚いております。私も日頃、多作多捨を心がけていますが、多作と多捨の間に推敲を入れると良いのではないでしょうか。「多作推敲多捨」です。自分の過去の句は宝の山だとも思います。また大家の場合、句集など何回も出版し、その度に修正されている場合もあります。そして原句を発表する前の段階の推敲のコツについて、芭蕉は、次のように述べています。「句調はずんば舌頭に千転せよ」と。

今朝ほどの訃報で 金子兜太 先生のご逝去が伝えられました。このところ朝日俳壇の選句も欠席されておられ、心配しておりましたが、残念です。98歳のご高齢で現役、よく頑張っておられました。朝日俳壇に投句を始めて5年の間、先生に5句ばかりお選びいただきました。懐かしい想い出となりました。ご冥福をお祈り申し上げます。       合掌 

余談ですが、今回は、朝日俳壇の選者4人のうち、金子先生の欠席で、他の3人の選者が代行され、通常10句選句のところ、それぞれの選者が13句選句となり、しんがりの席に入ることができました。幸運でした。

                                
◆次回の定例句会は、3月10日(土)13時〜15時40分
                  於高井戸区民センター
 兼題は、「春風」・「当季雑詠」の3句提出
                                     ◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

◆文責:  俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
    

・1月の作品の紹介
・1月の兼題は、「当季雑詠」で3句です。

<兼題「当季雑詠」について>         俵木 陶光
 長い冬の中からほんの5句ばかり拾ってみた。
    蝶墜(お)ちて大音響の結氷期  富沢赤黄男
    霜柱はがねのこゑをはなちけり  石原八束
    手袋に五指を分ちて意を決す   桂 信子
    熱燗や討入りおりた者同士    川崎展宏
    待春の掌にのせて見る赤い靴   佐藤時枝
  
  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 
俵木 陶光

・来し方を見つめてをりしオリオン座

岡村 一道

・男ひとり包丁切れぬ去年今年


芳村 翡翠

・水仙や灯台への道海に落つ


長岡 帰山
 
・夜焚火(よたきび)や背中の闇にもたれつつ

片山 朝陽
 ・声変りして頼もしき御慶かな

安西 円覚
 ・子規の亡き六畳寒さ敷きつめて

峯岸 まこと
 
・大海原黄金波打つ初日かな


中邑 雅子
 ・葱きざむこの地を余生と確めて」

小林 美絵子

・枯木星鞄にいつもハーモニカ


坂井 百合子
 
・目礼を交わせし鴉初御空

堀 秀堂
・去年今年手帳の中の旅の跡

山下 天真
・遥かなる聖堂見ゆる初景色

五井 夢     
・スーパームーンひゅるひゅると鳴る虎落笛

村林 小枝子

・癒える日を待ちてほころぶ梅の花


菊池 幸

・移り香の残りし肩に風花す



                          
◆<私の一句> 
 初春やいくたび渡るセーヌ川
  山下 天真

 暮れから正月は長女家族の暮らすパリ郊外のサンジェルマン、アン、レイで過ごしました。娘達が住むアパートの近くに民家を借り、10日程の滞在でした。この町には12世紀に建造された城が現在では考古学博物館として開放されています。庭は公園として憩いの広場になり、その奥は落葉樹が主体の広大な自然林です。この恵まれた環境に相応しく、町は静かで落着きのある、フランスでは最も治安の良い地区で有名です。
民泊なので、炊事、洗濯は自前です。朝7時半を待ってパンを買いに出かけます。まだ薄暗いのですが、徒歩3 、4分の所に、日本でも知られたお店が、焼きたてを売っています。朝食はこれが日課です。滞在初日の金曜日は、広場で朝市が開かれるということです。ついつい見たくなりまして行ってみました。
フランスの食料自給率は100%を超えるのですが本当に食材の豊富さは圧巻です。日本の自給率30%台を思い、豊かさとは何だろうかと、考えさせられました。ここでリンゴを4個買い、パンの袋2つを小脇に帰りはじめました。ところが朝市へ行った為、帰り道が分からなくなりました。、途方に暮れてベンチで思案しているとそこへ全く偶然長女と孫娘が通りかかったのです。一件落着。美味しい朝食をいただきました。
パリ市内への観光の為、始発電車に乗ると数分後にセーヌ川を渡ります。少し行くと又セーヌ川を渡ります。パリ盆地を蛇行して流れる川のようです。市内はエッフェル塔を始めルーブル美術館など、地元の人や観光客で大変な賑わいでした。通りのオープンカフェでも楽しそうに談笑する人達を見かけます。
テロのショックから立ち直ったのでしょうか。


                                
◆次回の定例句会は、2月10日(土)13時〜15時40分
                      於久我山会館
 兼題は、「早春」・「当季雑詠」の3句提出
                                     ◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

◆文責:  俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
    

・12月の作品の紹介
・12月の兼題は、「十一月」・「当季雑詠」で計3句です。

<兼題「十一月」について>             俵木 陶光
 1月から12月まで、数字を使った月の俳句にはそれぞれいい句がある。11月は字数が多いけれど。

 ・あたたかき十一月もすみにけり  中村草田男
 ・草や木や十一月の深大寺     星野麦丘人
深大寺の奥の石田波郷の「吹きおこる秋風鶴を歩ましむ」の傍らに師弟碑として建っている。波郷の墓は深大寺の墓地の中にある。

 ・峠見ゆ十一月のむなしさに   細見綾子
ふるさと丹波近くに帰って来たとき、葉が落ちて峠が透けて見えた時の想い。

 ・武蔵野は十一月の欅かな   松根東洋城         など

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
俵木 陶光

・翼欲し十一月の空を飛ぶ


岡村 一道

・拡声器内緒話は冬空に


芳村 翡翠

・夕日入る十一月の四畳半


長岡 帰山
 
・胸中は引き潮ばかり冬の浜

片山 朝陽
 ・神の旅岬の風によろめきて

安西 円覚
 ・牛乳をごくり十一月に入る

関口 静安
 
・鴉鳴く十一月のベランダに


中邑 雅子
 ・霜月や等圧線の線の数

小林 美絵子

・姿見の傾き直す小春の日


坂井 百合子
 
・金色の落ち葉の森の小人たち

堀 秀堂
・明月や浜辺に寄せる波の音

山下 天真
・陽をまとひ十一月の鯉寄り来

 五井 夢     
・飛行機雲十一月の西の空

村林 小枝子

・全快し十一月の煮物膳

                          
◆<私の一句> 
           
 鼻歌も音痴な母と十二月   
 父歌う昴を母と十二月  
小林 美絵子

 12月は忘年会などカラオケに行く機会も多くなります。
父は谷村新司さんの「昴」が好きで家でもよく歌っていたのですが、母は歌詞を良く聞いていないと曲目がわからないという風で、これはそのまま私が受け継ぎました。
 もう30年ほど前でしょうか。後楽園が東京ドームに生まれ変わってのこけら落としの美空ひばりさんの公演は、テレビで何度も放送されあまりにも有名ですが、その陰ナレ(表には出ないで陰で場内アナウンスをします)を私が担当させてもらいました。東京ドームは広くアナウンスした自分の声が少し遅れてやまびこのように聞こえてくるのです。両親にも楽しんでもらいたく、あまり良い席ではなかったのですが招待しました。ステージが始まる前、場内の注意事項などをコメントして少し時間があったので、私のナレーションはどんな感じか両親の席まで感想を聞きに行ったら、「よく聞こえないわ〜」と残念な母の感想。観客の方々も興奮して大きな声でおしゃべりしていたのでそれもわかります。公演のタイトルコール「美空ひばり愛は不死鳥 歌は我が人生」はきっちり聞いてもらえたようで、少し親孝行できたと思いました。そのあとも父はテレビで美空ひばり東京ドーム公演が放送されるたび録画してビデオを渡してくれました。ほんの少し私の声が入っているだけなのに。
 その後日本テレビの朝のワイドショー「ルックルックこんにちは」水曜名物「ドキュメント女ののど自慢」のレポーターを7年間務めることになり、両親はこちらも必ず揃って見てくれて、父は録画してくれていました。服装や髪型の感想は母の担当です。今になって両親の気持ちがわかり、懐かしく思い出します。
 母を送るときは好きだったダンスの曲を。そして父を送る時は昴をかけました。
さて、私は何の曲にしましょう。

                               
◆次回の定例句会(天賞句会)は、
1月20日(土)13時〜15時40分 於高井戸地域センター
   *出席者は、千円程度の「天賞景品」を持参して下さい。
    兼題は、「当季雑詠」の3句提出
                                     ◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

◆文責:  俵木 敏光(陶光)
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