活動報告 - m-anzaiさんのエントリ


◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
    
・8月の作品の紹介
・8月の兼題は、「天の川」・「当季雑詠」で3句です。
                出題:安西 円覚
                選句:俵木 陶光
        

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・荒海や佐渡によこたふ天の河    芭蕉
・天の川の下に天智天皇と臣虚子と  高浜虚子
・天の川鷹は飼はれて睡りをり    加藤楸邨
・妻二タ夜あらず二タ夜の天の川     中村草田男
・天の川水車は水をあげてこぼす   川崎展宏
・はるけしや隠岐も真夜なる天の川  福沢さとし
・窓に銀河妻ならぬ人おもひ寝る   上村占魚


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俵木 陶光

・銀漢や前方後円墳眠る


岡村 一道

・天道虫リュック大きな女学生


芳村 翡翠

・闇深く見送るホーム天の川


長岡 帰山

・墓までのみち墓までの曼珠沙華


片山 朝陽
 ・我が影と思へぬ猫背極暑かな

浦田 久
 ・伊豆の宿夜空を洗う天の川

堀 秀堂
 ・氾濫の川筋光る天の川

関口 静安
 
・星を斬る剣の流れや天の川


中邑 雅子

・天の川我も地球もこの端に


菊池 幸

・故郷は遠のくばかり秋すだれ 
 

坂井 百合子
 
・「また来るね」祖母の笑顔も天の川


五井 夢

・激流となりし輪廻や天の川


村林 小枝子

・天の川音の聞こえぬ砂の道


                               
◆次回の定例句会は、9月8日(土)13時〜15時40分
                  於高井戸区民センター
 兼題は、「秋の暮」・「当季雑詠」の3句提出

*今回は、「私の一句」欄は休載しました。                                     
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

◆文責:  俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
    
・7月の作品の紹介
・7月の兼題は、「夕立」・「当季雑詠」で3句です。
                出題:安西 円覚
                選句:俵木 陶光
        

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・大夕立来るらし由布のかきくもり  高浜 虚子
・祖母山も傾山も夕立かな      山口 青邨
・夕立の空傾けて妙義山       川崎 展宏
・英彦山(ひこさん)の夕立棒の如きなり 野見山 朱鳥
・夕立のあと夕空の残りけり     今井 杏太郎
・夕立の上がるを待たず阿波踊    上大 暮湖

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俵木 陶光

・遠のいてゆく夕立や多摩茜
(あかね)

岡村 一道

・遠景に緞帳降ろす夕立かな



芳村 翡翠

・一村は大夕立に降り込まれ


長岡 帰山

・風鈴の鳴り続けをり君逝かば


片山 朝陽
 ・水弾く青年の肌夏の海

安西 円覚
 ・東京タワー スカイツリーも夕立かな

中邑 雅子
 ・十薬や脱藩街道ぬかるんで


小林 美絵子
 
・暗渠まだ大夕立を覚えてる


坂井 百合子
 
・夕立来ぬ間一髪の布団かな

菊池 幸
・夕立や畑に残るにはたずみ 
 

五井 夢

・夕立や研ぐ鍬鋭く土をたつ


堀 秀堂

・夕立を蹴飛ばし小学生の列

山下 天真
・夕立や歌ふがごとくリズムとり
                 
村林 小枝子

・ひきがへるお久しぶりと声をかけ



                          
◆<私の一句>               

老鶯や和同開珎
(かいちん)谷深き 俵木 陶光
 秩父には見所が沢山ある。秩父神社、宝登山神社、三峰神社、夜祭り、羊山公園、武甲山、秩父往還奥の栃本関所跡、長瀞岩畳、秩父札所(観音霊所三十四所巡礼)などなど。
 旧会員の小坂郁子さんは秩父に近いので(欠席投句者で、吟行には、川越、飯能、塩船観音などに参加)、車で色々秩父を案内してもらったことがある。
 今年の7月、健康アパレル関係の会合が秩父であって北海道から娘が友人2人とやって来た。偶然であるが3人とも4人の子の母親である。会場は眼下に秩父の町並を望む農園ホテルという名前に似合わぬ都会的な感じのいいホテルであった。2時間ばかりの会が終ったので3人を案内して、「やまとーあーとみゅうじあむ」へ寄った。ここは羊山公園の一角にあり一面ピンク色に染まる芝桜でも有名である。この端にある美術館は棟方志功の作品(板画)が中心で特に「釈迦十大弟子」は日本に先駆けて世界的に評価されたものであり圧巻である。
 次に和同開珎(かいちん)のモニュメント のあるところまで行った。今から1300年程前、秩父から銅が産出され製錬して朝廷に献納されたことによって日本最古の通貨となったことから年号も和銅と改元された。古事記や日本書紀が誕生する以前のことである。この辺には和銅採掘跡、製錬所跡などがあり、和銅遺跡の聖神社もある。最近、それより以前に(富本銭が出土したが流通等については尚不明)
 静かな山の森を出て待たせていたタクシーに乗り西武秩父駅へ向った。運転手とは色々話をし、三峰神社のロープウェイも廃止され、バスに代わったことなども分かった。駅で食事をとり、レッドアロー号で飯能経由で池袋へ出た。
掲出句は、和同開珎を模した直径2mのモニュメントのある近辺のものである。

    鶯や必死に森を鳴き尽くし    陶光
  
          

◆次回の定例句会は、8月11日(土)13時〜15時40分
                  於久我山会館
 兼題は、「天の川」・「当季雑詠」の3句提出
                                     ◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

◆文責:  俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
    
・6月の作品の紹介
・6月の兼題は、「入梅」・「当季雑詠」で3句です。
                出題:安西 円覚
                選句:俵木 陶光
        

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・大寺のうしろ明るき梅雨入かな   前田 普羅
・梅雨に入る仕立屋の灯は低きまま  香西 輝雄
・耳遠き父も火山も梅雨に入る    中沢 文次郎
・河骨に日は照りつつも梅雨入雲   西島 麦南
・ひそかなる恋そのままに梅雨に入る 桂 信子

俵木 陶光

・栴檀
(せんだん)の風やはらかに梅雨を待つ

岡村 一道

・梅雨の夜やお化けもう出ぬ町外れ


芳村 翡翠

・黒猫のひげ振るわせる梅雨入りかな


長岡 帰山

・間を置きて鳴く山鳩や梅雨に入る


片山 朝陽
 ・二つ三つやがて蛍の夜迎ふ

安西 円覚
 ・枇杷を剥く皿に落つるや種一つ

中邑 雅子
 ・雲重し梅雨入宣言早々に

小林 美絵子
 
・梅雨晴れやワルツくるりと膝小僧


坂井 百合子
 
・あれもこれもやり残しつつ梅雨に入る

菊池 幸
・梅雨に入り輪島朝市傘の花 
 

浦田 久

・梅雨寒や思はずセーターたぐり寄せ


堀 秀堂

・入梅や鉢の朝顔品定め

山下 天真
・走り梅雨雲が急かせる散歩道
                 
五井 夢     
・雨ぐつの林に蟻の梅雨流る

村林 小枝子

・古株に新芽あざやか紅蜀葵
(こうしょっき)




                          
◆<私の一句>

         

「月の兎
(と)も季節真逆のリマの街」 堀 秀堂

 私は南米のペルー共和国に第一次オイルショックの前後の2度(昭和48年7月と49年7月)都合55日間「共石」より出張で滞在した。石油業法で定める石油の低廉安定供給が使命だった。地球の裏側まで行ったが俳句の吟行でなく仕事であった。日本と真逆な環境へ来たのは、石油公団が主導する日本とペルー間の長期の「融資買油契約」締結交渉の為だった。エールフランスの南海の楽園タヒチ経由(給油のみ)のリマ行直行便で到着した。
 団長は、石油公団副総裁谷川氏、ネゴシエーターは西村真田法律事務所長、企業側は、共石、日石の石油2社、商社は三井、丸紅、三菱の3社と川崎汽船の副総裁・常務・随行員・現地駐在員。ペルー側は国営石油会社ペトロペルー総裁ボビオ氏以下随行員とコフィデ(大蔵省)のロイヤー達。スペイン語、英語の環境下だ。物理的には、わが国の7月の夏からリマは冬の厚雲に覆われ太陽が出なく雨も降らなく現地の人の肌もぱさぱさして顔に生気がなかった。太平洋海岸砂漠地帯にあたりペルー寒流の影響もある。又、日本は軟水だがペルーは真逆の硬水で料理、酒の水割り、氷など口に入れると多数の日本人が腹を壊した。ペルーの人達は何でもないのに。もっとも腹を気にしつつも、お酒のピスコサワー、特産ウニを出すヴァイオリン・ケーナの生演奏へ行ったりした。混血美人ぞろいであった。南米では月の兎の餅つき姿が逆さまに見えると日本を出る時何人かに言われたが現地イキトス市で何度も見たが確認できなかった。
    ・アマゾンの月の江白き飛行艇  秀堂
 リマ空港からアンデス山岳地帯を越えイキトス市の空港に降りスペイン風ホテルに泊まった。南米有数の保養地である。アマゾン川支流のマラニヨン川に面する都市で、リマの冬から一転、赤道直下の高温多湿の森林地帯にある。ペルー海軍の飛行艇とヘリコプターに乗り継いで北東の米中堅石油企業ゲッテイが開発に成功した鉱区に隣接のペトロペルー鉱区へ輸送してもらった。アマゾン川は対岸が見えないが支流は無数に分かれ多数の島々を形成し、点々と櫓が立っていた。その内のリグの回っている島に着陸し、深度別採土の地質含油量などデーターの説明を受けた。本件融資の買油契約対象のゲッテイの鉱区の油槽構造、広がり、地震探査解析データーなど石油公団でレクチャーを受け既に知っていた。無事、現地視察は終わった。
 入江の、森の緑、水の青、白き飛行艇、白服の軍人の姿は美しかった。軍人も礼儀正しかった。リマへ帰る飛行機(一行2機に分乗)の上空からもリマ市街の美しい姿が見えた。月光も強く明るく照らし印象的だった。  

  

◆次回の定例句会は、7月14日(土)13時〜15時40分
                  於久我山会館
 兼題は、「夕立」・「当季雑詠」の3句提出
                                     ◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

◆文責:  俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
    
・5月の作品の紹介
・5月の兼題は、「風薫る」・「当季雑詠」で3句です。
                出題:安西 円覚
                選句:俵木 陶光
        

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・薫風や浅間の煙吹きかはり    野口喜舟
・薫風や老いてもろたふ応援歌   下村ひろし
・薫風や左官のラジオよりバッハ  ふじわら紅沙
・海からの風山からの風薫る    鷹羽狩行
・薫風に水切石のワンツースリー  徳田千鶴子 


俵木 陶光

・遠富士や屋上庭園風薫る


岡村 一道

・薫風に委
(ゆだ)ねて足裏(あうら)砂掴(つか)

芳村 翡翠

・ヨーデルの響く谷間に風薫る


長岡 帰山

・お母さん今年も薔薇が咲きました


片山 朝陽
 ・風薫る見慣れし山の青深む

安西 円覚
 ・万緑の波に埋るる観音像

中邑 雅子
 ・土佐湾の風真っ直ぐに五月かな

坂井 百合子
 
・父の珈琲呼ばれて庭の風薫る

菊池 幸
・蓬摘む故郷はるか遠くなり 
 

浦田 久

・薫風や森林浴に迷い鳩


堀 秀堂

・風薫る小江戸の櫓時の鐘

山下 天真
・山並みを越へし夕焼町包む
                 
五井 夢     
・風薫る町は10時の高齢者

村林 小枝子

・風薫る山のすがたに明日をみる




                          
◆<私の一句>

         

「緑蔭の玉川上水遠き音」
俵木 陶光

 私の住んでいる久我山には二つの川が流れている。神田川と玉川上水である。また今年も6月上旬の土・日には蛍祭があり二つの川の辺は幻想的な夜がやって来る。
 徳川家康の時代になると江戸に急に人口が増え飲料水が必要となり、神田川を初め多くの川が上水道として開発されて来た。神田川は井の頭池が水源で湧水なので飲料水には適していたようだ。それでも更に増加した人口のために大きな事業として玉川上水が計画された。羽村市に流れて来た多摩川をここから分水し、立川、三鷹、井の頭公園に入り、神田川と平行するように久我山を通り江戸を目指して行った。芭蕉が10才ぐらいの頃である。
 玉川上水は人工的河川なので深さは4メートル、流れも早く両岸はつぼ型にえぐれて来るので一旦落ちるとたすかりようがなかった。記録にはこんなことも残っている。
‖臉毅糠永田町小学校の遠足が井の頭公園にあり誤って玉川上水に落ちた生徒を救おうとした松本訓導(先生)が殉職した(大きな記念碑が建っている)。
⊂赦贈横廓、39才の太宰治は三鷹駅前の屋台で知り合った山崎富栄と1年半後近くの玉川上水に入水、6日後に遺体で発見された。6月13日が桜桃忌。遺体が発見された日(6月19日)が近くの禅林寺にて法要。斜め前には森鴎外先生の墓。
その翌年昭和24年、金田一京助の愛嬢若菜さんが25才で久我山の上水に投身自殺され、その後金田一京助建立の水難者慰霊碑がある。それ以降も毎年約10人の投身自殺が記録されている。
 この玉川上水も昭和40年、東村山に浄水場が移るとその役目を終え、現在のような地下4m、巾1〜2mの静かな流れとなり、元のNHKグランド側からは地下に入り、上水緑道などになっている。

 前回の句会に「風薫る芭蕉も好むこみちかな(小枝子)」があり、この近辺にも奥の細道があるとばかりに百合子さんを誘って散策することにした。
 久我山会館から5分も歩くと世田谷区となり烏山寺町となる。大正12年関東大震災で東京の下町の寺院が壊滅し何カ所かに移転し、その一部30近くの寺院がここに集まって来た。喜多川(北川)歌麿、長谷川雪旦、為永春水などの墓も含まれている。寺と寺の間の路地が奥の細道となるわけである。
 奥の細道を抜けた辺に高源院という大きな池のある寺院があり橋を渡って池の中ほどに弁天堂があり池の中には睡蓮科の河骨(こうほね)が沢山黄色い花を咲かせていた。まさに「河骨の金鈴ふるふ流れかな(川端茅舎)の感じである。白木蓮俳句会の吟行でも5年半前に石神井公園の三宝寺池で詠んだ句がある。「河骨のなほ黄を点ず池の冬(陶光)」。ここの池には亀も多く住んでいる。この寺の他に幸竜寺があり、毎年除夜の鐘を突きに行っている。国歌に出て来るさざれ石もある。さざれ石と言えば久我山駅前の石屋の道路側にも置いてある。
 寺町を抜けると一寸した梅園があり、今は梅の実が生っていた。国学院久我山高校の前を通ると玉川上水に突き当たり金田一京助ゆかりのの石碑を見て久我山会館に戻って来た。
 

  

◆次回の定例句会は、6月9日(土)13時〜15時40分
                  於高井戸区民センター
 兼題は、「入梅」・「当季雑詠」の3句提出
                                     ◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

◆文責:  俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
    
・4月の作品の紹介
・4月の兼題は、「卒業」・「当季雑詠」で3句です。
                出題:安西 円覚
                選句:俵木 陶光
        

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校塔に鳩多き日や卒業す   中村 草田男
山彦を山へかへして卒業す  遠藤 若狭男
下宿去る荷の中に寝て卒業子 黒坂 紫陽子
雇女の隠し子にして卒業す  笹山 呑海
これよりは恋や事業や水温む 高浜 虚子

 
 
俵木 陶光

・明日からは一人の道や卒業す


岡村 一道

・落暉いま埴輪の笑みに散る桜


芳村 翡翠

・教室にまっすぐ響く卒業歌


長岡 帰山

・ひとはみな生きて流さる花筏

片山 朝陽
 ・一面に空を映して田植待つ

安西 円覚
 ・卒業生送る校庭鴉二羽

中邑 雅子
 ・聞こえ来る卒業歌あり口ずさむ

小林 美絵子
 
・アネモネや包を開く京の菓子


坂井 百合子
 
・卒業証書授与さる吾子の大きな背

浦田 久
・満開の花に囲まれ卒業す

堀 秀堂
・父母も教師も共に卒業す

山下 天真
・喜びが野原を走る春休み
  
菊池 幸

・歳月を重ねかさねて花衣


村林 小枝子

・見上ぐればこれぞ桜や空の中

               
五井 夢     
・人生を短く卒業せし君よ



                          
◆<3月10日逝去された山口月山さんへの追悼文>俵木 陶光

   
「梅雨曇り僅かに重し舞扇]
山口 月山

幕末、ペリー来航の頃、若狭(福井県 )小浜藩、尊攘派であった梅田雲浜(うんぴん)は安政の大獄で捕えられ獄死したが彼らを育てたのは山口菅山(かんざん)で 山口月山さんの先祖に当たる。
また月山さんの父君は戦前裁判官として一家共々ピョンヤンに居られたが敗戦とともに立場が逆転し頼山陽の「鞭聲粛々 夜河を過(わたる)」漢詩よろしく難を逃れて帰国された由。当時朝鮮半島にいた在留邦人の立場は大変であった。

月山さんとの交流は次のようなところから始まった。
小生は中央大学を卒業しその1年後神田のK女子大学の教務課に勤務していた。それから10年後、月山さんが日本橋に本社?がある繊維会社の経理課から転勤されて来られた。(月山さんの体躯から教務課長から警備課と聞き間違えた位であった。)後日、月山さんとは大学・学部が同期であることが分かった。
  その時から数年後、職員会の中で俳句会が誕生し、二人とも会員となった。中心となった川津鱒子氏は良き指導者で句集も数冊出されていた。小生がミニミニ句集を作った時、こんなことを書いたことがある。「『少女ときに女豹の如く林檎食む・川津鱒子』に新鮮な驚きを感じ俳句に遊ぶようになった」と。
 その鱒子先生は亡くなられ指導を受けたのは7年半ばかりであった。大学以外の「武蔵野俳句会」はその後も季刊誌を出し続けて100号で終刊となった。これも月山さんと一緒だった。小生はずっと編集も手掛けていた。
  月山さんと二人、鱒子先生を含めて三人は新宿大ガードの近くのビルの地下にある「入舟」という酒場によく通った。ここのママさんも別の俳句の仲間であった。先生は作詞・作曲の「桐の実」を、月山さんはロシア民謡、陶光は日本民謡などをよく歌っていた。
 大学を定年退職してからは、OB会の中に白木蓮俳句会を立ち上げ、句会も昨年200回を超えた。
 月山さんとの交流は50年になった。その間お互いによく言い合った。高浜虚子が河東碧梧桐が亡くなった折に追悼句として「たとふれば独楽のはじける如くなり」と詠んだ。この句の前書には「碧梧桐 とはよく親しみよく争いたり」とある。月山さんともこんな状態であった。

最後になってしまったが、掲出の句について言えば45年前、泰山木俳句会第1回目の出句である。舞扇が僅かに重いとは驚いた。緊張感あってこその表現であろう。これが俳句だと思った。その時の小生の句は「冷や汗をぬぐい終りて 麦茶飲む」であった。正に冷汗ものである。これに発憤して次号には何とか納得できる句が出来て自信が出来た。月山さんとはいずれまた雲の上で俳句の話をすることもあるだろう。以下、月山さんの「訃報」のところに書いた以外の句と鱒子先生の句を数句掲げることにした。

・戦友を焼く煙真直に鰯雲    川津 鱒子     
・送別会の酒買う泰山木の花
・四月馬鹿叩けば音の出るラジオ
・メサイアを聴いて有情の時雨坂
・天茫と芽吹く雑木の漂う色                             


・早笛に餘寒風捲く修羅の舞     山口 月山
・春宵の銀座ことさら若々し
・カンバスを構へて初夏のみどり置く
・信濃路をゆけば折しも蝉時雨     
・冬涛や流されびとの島はるか
    
  

◆次回の定例句会は、5月12日(土)13時〜15時40分
                  於久我山会館
 兼題は、「風薫る」・「当季雑詠」の3句提出
                                     ◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

◆文責:  俵木 敏光(陶光)
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