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活動報告 - 俳句同好会カテゴリのエントリ


◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。今回も新しい方の投句がありました。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
    

・6月の作品の紹介
・6月の兼題は、「紫陽花」・当季雑詠で計4句です。




長岡 帰山

・行水の牛の貫禄うごかざる


中邑 雅子
・ここよりはあぢさゐ街道雨もよひ

堀 秀堂 
・紫陽花の小雨となりしホームかな

峯岸 まこと 
・箱根路のスイッチバックや濃紫陽花

村林 小枝子 
・くちなしのきわ立つ白さ雨上り

山下 天真
 ・賑わいを離れて路地の額紫陽花

芳村 翡翠 
・上州の限界集落濃紫陽花

佐々木 君代
 
・顔中をくちばしにして燕の子

関口 静安
大清水木道(もくどう)歩き水芭蕉

安西 円覚
・手花火に一年ぶりの燐寸かな

浦田 久
 
・伊豆下田山を彩る七変化

岡村 一道
 
・泣き虫の児に還るなり目高飼ふ


片山 朝陽
 
・黒揚羽三段跳びに消え去りぬ


五井 夢

・紫陽花や男波
(おなみ)女波のアンブレラ

小林 美絵子
 
・衣替え風の匂いの変わる朝

坂井 百合子
・ひっそりと古来のままに額の花


俵木 陶光
 
・雨を呼ぶ投込寺の濃紫陽花                                     




◆<私の一句>
  上州の限界集落濃紫陽花
      芳村 翡翠 

  
 裏木戸の片隅にいつも咲く紫陽花は、昨年思い切った枝の剪定を行ったせいか花付きがよく今年も大輪の花を咲かせてくれました。梅雨の雨を含んで重々しく花を揺らせている様は見事です。
 ところで、花名のアジサイの語源は「藍色が集まったもの」を意味する「あづさい(集真藍)」からきたものだそうです。江戸時代に長崎の出島に滞在して医療と博物研究に従事したシーボルトは、愛する「お滝さん」にちなみ「オタクサ」という名をアジサイにつけました。花言葉の「移り気」はアジサイの花の色が開花後に変化することからきています。
 さて私の句ですが、「上州」を上五にもってきたのは、上州といわれていた土地にあった集落共同体の崩壊を描きたかったからです。過疎化が進み、打ち捨てられ、荒廃した空き家だけが残っている、いわゆる「限界集落」の情景を詠ったものです。ひとが去ってしまった空虚な集落の跡に、紫陽花の華麗な花だけが咲き残っている。
 社会と自然の係わりの変転を表現しました。唐の詩人が詠ったように、「年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず」毎年毎年、花は変わることなく咲くが、人の世は変わってゆく。
 「上州の限界集落」と妖艶な「紫陽花」との対比はいかがでしたか。最近、俳句の世界にも社会的な事象を詠んだ句が多く見受けられます。マスコミの伝える情報が、我々の日常生活に、遥かかなたで起こった事象を身近にひきよせます。
 従来の「花鳥諷詠」という自然そのものを詠むだけの句ではなく人と事象とのかかわりを詠む句が見られるようになったわけです。
最近の朝日俳壇で拾ってみても、こんな句がありました。

・シナリオのなき大地震牡丹散る
・道義なき話きき飽き五月尽
・薫風の永遠にぞ在れや吾は九条
・農捨し兄に最後の麦の秋    などなど



◆次回の定例句会は、7月9日(土)午後1時〜3時40分
               於 高井戸地域区民センター   
 兼題は「南風(みなみ・なんぷう・みなみかぜ)」・当季雑詠で計4句(欠席投句者は3句)です。

◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。今回も新しい方の投句がありました。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
    

・5月の作品の紹介
・5月の兼題は、「若葉」・当季雑詠で計4句です。



俵木 陶光
 
・無残なる熊本城や楠若葉

長岡 帰山
 ・恐ろしや若葉の森の土石流

中邑 雅子
・山彦を返して全山若葉かな

堀 秀堂 
・若葉風市松模様の千枚田

峯岸 まこと 
・騎馬歩む雑木林や若葉風

村林 小枝子 
・造替(ぞうたい) の春日大社や山若葉

山下 天真
 ・凱旋門軍靴は遠し若葉風

芳村 翡翠 
・昏れなずむ箱根連山若葉して

小林 美絵子
 
・やはらかき雨音を聞く花は葉に

坂井 百合子
・若葉風洗いざらしのシャツ泳ぐ

上村 凱山
・若葉道ころがしてゆく旅鞄

関口 静安
・一歩二歩散歩に光る若葉かな

安西 円覚
・机には写経の用紙柿若葉

浦田 久
 
・崩れゆく土砂に悲鳴の若葉かな

岡村 一道
 
・ひらがなの幼き便り傘雨の忌


片山 朝陽
 
・朝若葉晴れゆく霧の音すなり

五井 夢

・六根清浄老木
(おいき)の若葉さんざめく



◆<私の一句>
  哲人の貌にてさつき剪定す
   岡村 一道

今まで真正面から人間の死に向き合ったことがない人間にとって、こんなに突然怪獣のごとく死が自分の前に現われるなんて想像もしていませんでした。入院から15日妻の命は呆気なく私の手をすり抜けてゆきました。
 冒頭の句は平成元年加藤楸邨が朝日俳壇に選んでくれた句で妻の思い出が詰まった句です。花が好きで特に「さつき」は一時、五十鉢程育生していました。しわくちゃ顔の妻が「さつき」を剪定している時だけはギリシャの哲学者の顔のようだと言う句意です。妻を題材にした句は主観が強すぎてあまり評価されるものではありませんが、平成25年度NHK全国俳句大会にて
  「今日妻の予定びっしり紺朝顔」
が特選に入りNHKホールにて表彰されたのは良き思い出になっています。
 妻は旅立ってゆきましたが遺骨を自宅に祭ってある間ご近所の友人が遺骨の前で長時間妻に話しかけていたのが印象的でした。
  「遺影に語る立話のごと葉の桜」
 妻が生前残してくれた私にも出来るノート一冊分の簡単レシピのお陰で外食することなく毎日料理を作っております。最近はひとりでの生活リズムを作るべく、午前中は水泳、午後は俳句の本を読んだり、句を作ったりの生活です。
 永年俳句を続けて来て本当によかったとつくずく思う今日この頃です。
    


◆次回の定例句会は、6月11日(土)午後1時〜3時40分
               於 高井戸地域区民センター   
 兼題は「紫陽花」・当季雑詠で計4句(欠席投句者は3句)です。

◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
    

・4月の作品の紹介
・4月の兼題は、「風光る」・当季雑詠で計3句です。



五井 夢

・天地は万物の逆旅
(げきりょ)なれど風光る

俵木 陶光
 
・鳶舞ひて三浦半島風光る

長岡 帰山
 ・父と子の紙飛行機や風光る

中邑 雅子
・階
(きざはし) をのぼれば天守風光る

堀 秀堂 
・風光る帆船操る白き波

峯岸 まこと 
・大寺の築地(ついぢ) 崩れて白木蓮

芳村 翡翠 
・風光る海の匂ひのただ中に

小林 美絵子
 
・生まれし児花びらにぎるかのように

坂井 百合子
・見上げたる梢に青き風光る

山下 天真
 ・風光る山紫水明恙(つつが)なく

村林 小枝子 
・風光る犬吠埼の海岸線

安西 円覚
・風光る鞄のパンダ揺れてをり

浦田 久
 
・人力車駆ける浅草風光る

片山 朝陽
 
・葉桜となりて残りし太き幹





◆<私の一句>
          峯岸まこと
    
 
 ・外つ国へ嫁ぐ子送る梅真白

 掲句は今年の2月にスイスに旅立った娘を送った日の句です。その1か月後、昨秋に同国に申請していた結婚が認められ、4月初旬に式が行われました。住居はスイスの北部でチュウリッヒとバーゼルのほぼ中間のオルテンという町です。信仰心が薄れているのは日本のみならずヨーロッパでも同様で教会での式もありますが、市役所等で婚姻届けへの署名を式にする形もあります。娘の場合もそうでした。
 役所の一部屋がそれに充てられ、テーブルの正面に役所の方(女性)、対面に新郎・新婦とそれぞれの立会人が座りました。卓上には赤い小さな燭が灯されていました。役所の方が結婚の意味などを述べ(ドイツ語でしたので私には理解できませんでした)、新郎、新婦が同意の意思表示、届出書に新郎・新婦と立会人が署名して式は終わりました。この間30分ぐらい、列席者はそれぞれの両親と親族、友人で10数名でした。式後、郊外のレストランで食事会が開かれ、乾杯は持参した日本酒(獺祭)でさせていただきました。
この地方では、「ゴッド・ファーザー」という仕組みがあるそうです。子どもが誕生するとその子が20歳になるまで、両親に万一の場合には親権者となるそうです。家族制度の危機管理と言えます。このたびの挙式にも夫君のゴッド・ファーザーが見えていました。また、夫君がゴッド・ファーザーになっているお子さんも見えていました。
3月から4月のスイスは日本とほぼ同じ気候でした。約2週間の滞在中に国内のあらゆるところに誘ってくれました。面積は日本の九州とほぼ同じですので、発達した鉄道を使うとかなりの範囲で日帰りが可能とのことです。帰国の前日(10日)に首都・ベルンを訪れました。アーレ川が蛇行する両岸に市街が広がっています。その高台に染井吉野桜が植栽されていました。奈良県榛原市の方が1975年に100本寄贈されたそうです。根付いたのは10本程度のようです。枝ぶりもよく、樹下に群咲く連翹と調和し、日本の春を彷彿としました。また、連翹の他に白木蓮、紫木蓮、柳、猫柳、雪柳、菜の花、水仙、山桜、八重桜(?)などを良く見かけました。
東京には4月12日に帰国しましたが、すでに桜の満開は過ぎていました。

      

◆次回の定例句会は、5月14日(土)午後1時〜3時40分
                 於 久我山会館   
 兼題は「若葉」・当季雑詠で計3句です。

◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
    

・3月の作品の紹介
・3月の兼題は、「春全般」・当季雑詠で計3句です。



片山 朝陽
 
・托鉢の僧に触れゆく春の蝶

五井 夢
・春雨や虹がとび散る一号線


俵木 陶光
 
・白木蓮白鳳釈迦佛深大寺

長岡 帰山
 ・白木蓮の白より雲の湧き出しぬ

中邑 雅子
 ・兵馬俑の夢はるかなり黄砂ふる

堀 秀堂 
・二百回春の句会や白木蓮

峯岸 まこと 
・外国(とつくに) へ嫁ぐ子送る梅真白

芳村 翡翠 
・外に出て掌(てのひら)に受く春の雨

小林 美絵子
 
・百歳(ももとせ) の白木蓮や青き空

坂井 百合子
・学舎
(まなびや) に笑顔残して巣立ちゆく

山下 天真
 ・春雨のささやくごとき目覚めかな

村林 小枝子 
・春重ね袴の孫は母となる

安西 円覚
・一心に瓦打つ雨桃の花

浦田 久
 
・草や木の新芽と出会う春日和




◆<私の俳句二題>
     俵木 陶光

 
 
・龍天に昇る白木蓮は二百回    陶 光
 中国の古事に「龍は万物生動する春の盛んな気が生ず云々」とあって春の季語になっている。白木蓮俳句会は平成11年に誕生し17年目に入り定例句会も200回の節目を迎えた。龍天に昇る気持が横溢している。
「日本人は昔から四季の移り変わりの折々に心に浮かぶ感慨を詩歌に託して来ました。人生を豊かにするために俳句を一緒にしませんか」と呼びかけ、俳句会が誕生した。月一回の定例句会の外に吟行俳句会で塚山公園、深大寺・神代植物園、国分寺、多摩キャンパス、多摩動物園、川越、横浜などへ出かけて行った。その間に合同句集『白木蓮』を6号まで発刊し、国会図書館にも納本している。会員の中にはNHK全国俳句大会に特選、大会大賞、朝日俳壇入選、個人句集数冊を発刊するなど活躍している。俳句ってどんなものだろうとゼロからスタートする人達も参加している。
 多摩キャンパスには俳句会の記念樹として白木蓮を植樹し、今満開である。これからも、花も俳句も咲き続けて行くと信じている。
  <学び舎にところを得たり白木蓮  市橋千鶴子(千翔)>
 
・早春の川一筋の速さかな     陶 光
 春先の川の流れは元気を取り戻したように思える。これは玉川上水の井の頭公園側のほたる橋からの句である。ここは68年前の昭和23年、太宰治が入水(じゅすい)した辺からほぼ1キロ下ったところで深さは4メートル、滔々とした流れで落ちたら二度と岸に上がれない程であった。年間10人以上の身投げの記録が残っている。金田一京助さんのお嬢さんも25才の若さで亡くなられ、久我山の上水側の土手に供養碑がある。昭和40年、江戸時代からの水道としての役目も終えたため水も細々と流れ、久我山の旧NHKグランド側からは地下水道となって下ってゆく。それでもほたる橋から下を覗くと往時の名残か跳び越えられる川巾であるが4メートルの川底深く音をたてて流れている。
 蛇足ながら、ほたる橋に因んで、久我山を流れる神田川と玉川上水では毎年6月初めの土・日に蛍祭をやっている。夜遅く子供達も帰った頃がいい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  死なうかと囁かれしは蛍の夜     鈴木真砂女
  緩やかに着てひとと逢ふほたるの夜  桂信子
  じゃんけんに負けて蛍に生まれたの  池田澄子
  人殺す我かも知らず飛ぶ蛍      前田普羅
  おおかみに蛍が一つ付いていた    金子兜太
 
  


 * 3月12日(土)定例句会の後、「白木蓮句会」200回記念祝賀会を吉祥寺・聘珍樓で行いました。11名の参加で大いに盛り上がり今後の会の発展を皆で誓い合いました。         
       

◆次回の定例句会は、4月9日(土)午後1時〜3時40分
                 於 高井戸区民センター    
 兼題は「風光る」・当季雑詠で計3句です。

◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
    

・2月の作品の紹介
・2月の兼題は、「日脚伸ぶ」・当季雑詠で計3句です。



岡村 一道
 
・土の中寝返る音や日脚伸ぶ


片山 朝陽
 
・塒
(ねぐら)へと帰る水鳥日脚伸ぶ

五井 夢
・眼に沁むる足の生毛
(うぶげ)や日脚伸ぶ

俵木 陶光
 
・ふくらんだ風の中より春匂ふ

中邑 雅子
 ・日脚伸ぶもういいかいの声のして

堀 秀堂 
・日脚伸ぶ人影踏みつこ通学路

峯岸 まこと 
・城跡の径のぬかるみ日脚伸ぶ

芳村 翡翠 
・日脚伸ぶ書肆の中なるティールーム

小林 美絵子
 
・蕗の薹ぽとんぽとんはなんの音

坂井 百合子 
・ベランダの西日華やか日脚伸ぶ

山下 天真
 ・さざ波の水鉢に立つ春の風

村林 小枝子 
・花びらの川に一片日脚伸ぶ

安西 円覚
・料亭の長き靴箆(くつべら)日脚伸ぶ

浦田 久
 
・空青く裏の庭にも日脚伸ぶ




◆<私の好きな句>
     安西 円覚

 ・青空や花は咲くことのみ思ひ   桂 信子 (平成8年作・81歳)

 この花に謙虚さを感じます。擬人法で花=人間or自分に置き換えてみました。若い頃は将来どんな仕事に就くか選択枝が一杯有りすぎて絞れません。私に置き換えてみて、50歳を過ぎたあたりでようやく当時の仕事(広告営業)に「一所懸命」を自覚したものでした。ひと所に命を懸けるということです。この道しか俺の道はないのだと思ったら人間は強くなり成功への扉が開かれます。花は咲くことのみが生きるすべだと種の時から自分の生きる道を知っていたのだと思います。

 ・これ以上澄みなば水の傷つかむ 上田 五千石(昭和55年作・46歳)

 五千石の自句自解は次の通りです・・・・「眼前の秋の水」の「澄み」を見ていると、意志あるごとくいよいよ澄んでいこうとするかに見えるのです。「これ以上澄んで」はいけない、と私は「水」に声をかけないではいられなかった。そう、ここで止めなければ「水」はそれが液体であることを超えて、硝子化し、自分自身を「傷つけて」しまうかもしれないーーーと私は恐れたのです。・・・・
この句も擬人的に、清廉潔白過ぎる人間は傷つきやすい、多少「水」に汚れがあっても良い、清濁併せのむ度量を持ちたいものだと解釈します。
五千石の、ナイーブな感情をものに託してストレートに詠った句だと思います。


 現在、小生は「白木蓮句会」の他に「鷹」の句会に通っています。大体、どの句会も同じですが(白木蓮句会も)、兼題を短冊に書き、清記し選句し披講するという手順です。ただ「鷹」の句会は、席題として一時間以内に六句、その他兼題(持ち句)を二句提出です。系統は水原秋桜子。藤田湘子創設。現在、主宰は小川軽舟です。主宰は月1回ある中央例会(250人出席)に出て一句ごとワンポイントアドバイスをします。でも、どの俳句会でも、俳句の作り方の基本は同じです。白木蓮句会とも同じように、季語の説明をしない、日記・報告文にならない、景が浮かぶよう具体的に、感情を物で表す、常識的、陳腐な言葉を使わないその他等々です。その一定の基本レベルを習得すればどこの俳句結社に参加しようと同じ評価を受けると思います。ただそこから、キラリ光る秀れた句を作るためには、長く険しい山の頂上が遠くに待っているのだと思います。
 「五七五の十七文字の宇宙」への旅を肩の力を抜きながら今後も楽しみたいと思っています。

  ・鶏頭や海の匂ひの葉書着く    円覚

       

◆次回の定例句会は、3月12日(土)午後1時〜3時40分
                 於 高井戸区民センター    
 兼題は「春一般」・当季雑詠で計3句です。

◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090−3145−2654

◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
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