• カテゴリ 俳句同好会 の最新配信
  • RSS
  • RDF
  • ATOM

活動報告 - 俳句同好会カテゴリのエントリ


◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。今回も新しい方の投句がありました。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
    

・4月の作品の紹介
・4月の兼題は、「葉桜」・当季雑詠で計3句です。




俵木 陶光

・山村の桜まぶしき天気雨


岡村 一道
・花筏乱して鯉の輪舞かな


芳村 翡翠

・葉桜や遠く戦火の国もあり


片山 朝陽
 
・ヘプバーン映画の誘ひ春ショール

安西 円覚
 
・囀りや結び直せし靴の紐


峯岸 まこと
 ・せせらぎの澱(よどみ)たゆたふ花の塵
長岡 帰山
 ・葉桜や色はにほへど散りぬるを

中邑 雅子
 ・葉桜や蒼ざめし影濃くなりて

小林 美絵子
 
・葉を残す少年のよう桜餅


坂井 百合子
 
・透き通る葉桜のころ君来たる

五井 夢
・地には蕊葉桜賑わい風笑う

浦田 久
・葉桜を駆け抜けてゆく運動部

堀 秀堂

・葉桜を映しうつして神田川


山下 天真

・駅を出て家路を急ぐ寒戻り

                                   

◆<私の一句>            
花々々花に抱かれて吟醸酒   
安西 円覚
この句は、先日、友人達と小金井公園に行った時出来た句です。シートを地面に引いて座ると頭上10センチのところに嫌になるぐらい多くの桜の花びらがありました。右を向いても左を見ても上を向いても花びらだらけの中の、酒呑みには至福の時でした。
古今の俳人で「酒と桜を詠んだ句」は多いです。勝手に句を探してみました。
「花にうき世我が酒白く飯黒し」(世間は花に浮かれてる春だが、貧しい自分にはむしろ心憂い世の中だ。飲む酒は濁り酒、飯は玄米飯という暮らしでは。)芭蕉
「上下(かみしも)の酔倒あり花の陰」(町民も、上下を着た武士も日頃の憂さを忘れ、美しい花に酔い、酒に酔い痴れていることよ。)一茶 また、酒好きで知れてる漂泊の俳人井上井月は、
「翌日(あす)しらぬ身の楽しみや花に酒」「寝て起きて又のむ酒や花心」と詠っています。井月に影響を受けた山頭火は、
「酔ひざめの花がこぼれるこぼれる」と詠う。その他、
「酒に女御意に召さずば花に月」漱石、「吾は寝ん君高楼の花に酔え」子規、
「宴まだはじまらずして花疲れ」虚子等々
良寛は和歌で、
「さけさけと花にあるじをまかせられ今日もさけさけ明日もさけさけ」と詠っています。
 また、「酒と桜を詠った句」以外の「酒」の単独の句となるとものすごい数があります。俳人は酒が好きなのです。探してみました。、
   夏痩やほのぼの酔へる指の先 万太郎
   庵主の酔うて仮寝や春の宵  鬼城
   白酒やなでてぬぐひし注零(つぎこぼ)し 青畝
   酒買ひに韋駄天走り時雨沙弥 芽舎
   美酒あふれ蟹は牡丹の如くなり 水巴
   冷酒に澄む二三字や猪口の底 草城
   鶏頭に隠るる如し昼の酒 波郷
   そら豆と酒一合と勇気がある 湘子
   冷酒や蟹はなけれど烏賊裂かん 源義
   熱燗や討入りおりた者同士  展宏
   羅(うすもの)や心病みいて酒の日々 真砂女
等々。「酒」は俳句を作る上で強力な助け舟となります。ところで、秋桜子は酒が飲めないのに、「酒」の句を作っています。
  喜雨亭に佳き酒にほふ年の暮れ 秋桜子
  鰭酒も春待つ月も琥珀色    〃
以上、有名俳人の酒に関係した俳句の一例です。小生、単なる酒飲みに終わらないで「酒」の名句を目指して精進したいと思います。


             

                      
◆次回の定例句会は、5月13日(土)午後1時〜3時40分
               於 久我山会館  
 兼題は「初夏」・当季雑詠で計3句です。

                                     ◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。今回も新しい方の投句がありました。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
    

・3月の作品の紹介
・3月の兼題は、「木の芽」・当季雑詠で計3句です。




俵木 陶光

・マラソンの木の芽明るき琵琶湖畔


岡村 一道
・若者の艇引き出すや木の芽岸


芳村 翡翠

・木の芽雨夕べのしこり解けゆく


長岡 帰山
 
・紙雛を手に妻降りし介護バス

峯岸 まこと
 
・木の芽張る鯖街道に日矢射せり

片山 朝陽
 
・熱燗や己を曲げぬ友ばかり


安西 円覚
 ・貼り薬覿面に効く古希の春

中邑 雅子
 
・木の芽張る生命(いのち) の声を放ちつつ

浦田 久
 
・伊豆の宿木々の芽吹きに抱かれて


堀 秀堂
 
・木の芽吹く上野のパンダ恋の風

小林 美絵子
・花薺(なづな)東京は今小糠雨

坂井 百合子
・朝帰りのわが子無口や木の芽どき

山下 天真

・春霞いつも見る富士あのあたり


村林 小枝子

・赤煉瓦マスクの波に木の芽風


 五井 夢
 
・木の股に育(はぐく)む木の芽どこの子ぞ                                    

◆<私の一句>           
山下 天真 
礼装しそっと来たれり尉鶲(じょうびたき)

東京郊外の住宅地、我が家の小さな庭に晩秋から春先まで10数種の野鳥が訪れる。
留鳥の四十雀、雀、雉鳩、椋鳥、鵯、尾長、目白、鶯 の他に冬鳥の鶫、白腹、尉鶲等など。
餌は一切与えず 、庭の木ノ実、草の実を啄ばみ、花の蜜を吸う。野山の風景そのままである。唯一つ人工的な陶器の浅鉢に水、これを目当てに喉を潤し、晴れた日には水浴びをする。時には一度に6羽の四十雀が水しぶき、そして枝でのんびり羽ずくろい。ここは野鳥達のミニサンクチュアリー。

この1句の尉鶲は雄鳥で黒い翼に白斑が有り、俗に紋付どりと呼ばれる。冬の間は雌雄別々の縄張りを持つため、数年前に雌が来ていたが、ある年から雄に交代、其れからは毎年紋付羽織ってやって来ては止まり木でピョコリと頭を下げる。以前来ていた雌との関係定かではないが、番かな と想像しています。春、北へ帰る頃日本海側では番を見かける事が多いそうです。
この北からの使者尉鶲は、同一の鳥としか思えない。
それにしても北の大地から我小庭にピンポイントでやって来る。まさしく自然の驚異です。鶫同様、毎年11月初旬には必ず来る。
日本は自然が豊かであり、その自然を享受する悦びを感じ 、虚子が提唱す「花鳥諷詠」 「客観写生」 「平明にして余韻のある句」 これを道しるべに俳句と関わりたいと思っています。
             


                      
◆次回の定例句会は、4月8日(土)午後1時〜3時40分
               於 高井戸地域区民センター   
 兼題は「葉桜」・当季雑詠で計3句です。

                                     ◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。今回も新しい方の投句がありました。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
    

・2月の作品の紹介
・2月の兼題は、「春を待つ」・当季雑詠で計3句です。




俵木 陶光

・校門に佇(たたず)む親も春を待つ


岡村 一道
・春近し雷門の車夫の声


芳村 翡翠

・箱根路の春待つ車窓明るくて


片山 朝陽
 
・バイカル湖の夢さめやらぬ浮寝鳥

安西 円覚
 ・凛の音かの世に消えて桜餅

峯岸 まこと
 
・弟(おと)逝けり澄みたる空や春隣


長岡 帰山
 
・待春や新横綱の土俵入り

中邑 雅子
 
・餅菓子の餡の冷たさ春浅し

小林 美絵子
・ラッパ手にはじめて触れし花菫

坂井 百合子
・やはらかき光のホーム春を待つ

五井 夢
 
・長雨に衣(きぬ)掻きあはせ蕗の薹

浦田 久
 
・いささかの運動八十路の春を待つ


堀 秀堂
 
・薦巻きて春待つ木々の兼六園


山下 天真

・剪定の春待つ枝を惜しみつつ


村林 小枝子

・木々の芽もあかぎれの手も春を待つ


寺崎 由岐子
 
・立春や巣立つ若者晴れ姿
                                      

◆<私の一句>           
俵木 陶光

 
空襲を逃れし多摩湖春深し   陶光

 昭和19年(1944)は第二次世界大戦(太平洋戦争)の末期でサイパン島の日本守備隊玉砕、神風特攻隊、学徒出陣があり、その翌年の昭和20年には東京大空襲、原爆投下、敗戦となったが多摩湖、狭山湖は無事。東京の水瓶は難を逃れることになった。その年の4月私はまだ戦時下の全寮制の中学に入学した。大岡昇平「武蔵野夫人」の多摩湖畔のホテルが新入生の寮であり、10名ずつの班に分かれ、一誠隊、富岳隊、御盾隊などと数字に因んだ名がつけられていた。私は無窮隊だった。夜窓から見ると都心が空襲で空が真っ赤な時もあった。空襲も激しくなり、東京の水瓶、多摩湖(村山貯水池)等を守ろうとして、しゃれた取水塔の模造品を竹で離れた所に編みはじめたようだ。しかし巨大な取水塔を作ることは不可能だったらしく放置されたままになっていた。
 寮生活は朝起きると全員で布団の上に正座して明治天皇御製の歌を朗誦し、列をつくって山を降り、校舎に正座して「箸とらば・・・」と祈りを捧げ朝食をとり、授業に入った。まだ仮校舎風の大きな平屋の建物3クラスと教員室が4隅を占め中央部が色々な行事に使われていた。最近問題になっている森友学園のことがあり、当時のことを思い出した次第。当時は一億総戦時下であった。
 大学を卒業後、暫く経って同人誌に参加し創作や俳句などを投稿し編集もしていた。ある時、年輩の同人で東京都の水道局に知り合いの人が便宜を図ってくれるからと春のピクニックが計画された。なんでもランチが出るということだった。どんなランチかなと楽しみであり、誰も昼食は用意して来なかった。が、ランチというのはlaunchのことで湖面を走る業務用の小型船のことであった。大笑いとなって友人と一しょに弁当を買いに走った。桜が満開であった。
 この同人はマイペースの人で決して相手のペースに巻き込まれることはなかった。俳句の指導的な人であったが、あまりやかましいことは言わなかった。何でも学生時代、川端茅舎に傾倒し「舟底に傾きてあり秋の水」で激賞された由。岸に打ち上げられたボートの中に溜まった水と秋、なるほどと思った。
 川端茅舎は画家川端龍子の異母弟である。
 代表句として3句。
     金剛の露ひとつぶや石の上   茅舎
     ひらひらと月光降りぬ貝割菜  〃
     朴散華即ちしれぬ行方かな   〃


                     


                      
◆次回の定例句会は、3月11日(土)午後1時〜3時40分
               於 久我山会館   
 兼題は「木の芽(時)」・当季雑詠で計3句です。

                                     ◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。今回も新しい方の投句がありました。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
    

・1月の作品の紹介
・1月の兼題は、「雑煮・喰積」・当季雑詠で計3句です。




俵木 陶光

・予報士の顔引き締めて雪を追ふ


岡村 一道
・不意の客におせちの味見大晦日


芳村 翡翠

・一椀に海あり山あり餅もあり


片山 朝陽
 
・一椀の七種粥に野の息吹き

安西 円覚
 ・悲しい時は泣けばいいのさ霜柱

峯岸 まこと
 
・言問を渡り七福詣かな


長岡 帰山
 
・初暦壁に巻きぐせつきしまま

中邑 雅子
 
・故郷に続く空あり初山河

小林 美絵子
・はつそらの碧しふるさと東京は

坂井 百合子
・最後よと母の振る舞ふおせちかな

五井 夢
 
・遥かなる初不二幾十(いくそ)青海波

浦田 久
 
・冬将軍迎え討つ我重装備


堀 秀堂
 
・四代を重ねし味の雑煮かな


山下 天真

・小鳥来る雑煮の朝の小庭かな


村林 小枝子

・めでたさを呼ぶ小松菜の雑煮かな


関口 静安

・ふと覚めて深夜放送年の暮


寺崎 由岐子
 
・初詣にぎはふ人にまぎれけり
                                 
    
                                
◆<私の一句>
木の葉髪怒髪天突く余生なり
 芳村 翡翠

これは、「朝日俳壇」(平成29年1月16日)金子兜太選となった句です。
作者としてはリズムが調わない点であまり感心した句ではありませんが、選を受けたことでは喜んでおります。

上五の、「木の葉髪」は冬の抜け毛を落葉にたとえた冬の季語で、冬の季節とあいまって侘しさを感じます。
中七の、「怒髪天突く」は正しくは「怒髪天を衝く」であり、はげしい怒りのために逆立った頭髪の様をいうもので、昔、中国で謀反の企てを知った王の怒髪が、冠を突き上げるほどに逆立ったことに由来しています。
下五「余生なり」だけが小生のものです。そんなことで、深く考えて投句したわけでもなく、投句したことも忘れていましたが、発表をみて、驚きました。

俳句は自分独りで、作るものでなく、また、いったん出来上がった以上は、独り立ちして、読みてが、「そうだ、そうだ」と共感したときに、初めて完成するものだと思っています。。
作者と読み手との共同作業によるものです。。
ここのところは大事で、芭蕉の多くの句が、時代を超え、多くの人々に愛されているのも、多くの句が、多くの人々の心を捉えていることによるものだと思います。
     
ちょっと大袈裟かも知れませんが、これからも、そのような句をつくるように精進したいと思っています。


 
◆次回の定例句会は、2月11日(土)午後1時〜3時40分
               於 高井戸地域区民センター   
 兼題は「春待つ」・当季雑詠で計3句です。

                                     ◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
                    

◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。今回も新しい方の投句がありました。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
    

・12月の作品の紹介
・12月の兼題は、「百合鷗・都鳥」・当季雑詠で計3句です。




俵木 陶光

・三日月の見守る「武蔵」最期かな


岡村 一道
・虎徹今静かに眠る冬日かな


芳村 翡翠

・乱舞する青のキャンバスゆりかもめ


峯岸 まこと
 
・多摩川の先に遠嶺都鳥

安西 円覚
 ・五線譜に不明な音符冬の蠅

片山 朝陽 
・燃え尽きるとき女優にも紅葉にも

長岡 帰山
 
・ナホトカへ船出の港ゆりかもめ

中邑 雅子
 
・華やかに客船入港冬鷗

小林 美絵子
・呼びかけに返事をするか百合鷗

坂井 百合子
・佐賀錦織り散らしたる山もみじ

五井 夢
 
・都鳥黒波ラッシュに浮き沈み

浦田 久
 
・岩手富士抱きし白鳥乱舞かな


堀 秀堂
 
・高千穂の御神楽魅入る秋の宮


山下 天真

・百合鷗北の便りは穏やかに


村林 小枝子

・万両は僧侶の如く慎ましく


寺崎 由岐子
 
・からっ風りんごのようなほっぺの子
                                 
    
                                
◆<蕪村の詩について>
 俵木 陶光

 与謝野蕪村は昨年生誕三百年の年であった(忌日は陰暦12月25日)。大阪から20才頃、江戸に移り俳句と絵画をしながら生活し茨城の結城に居を移し、東北にも旅をしている。その後京都、丹後の与謝にも住み、「与謝」と姓を名乗ってゆく。漂泊の人でもあった。
 結城時代には多くの俳人達と連句で交友を広め早見晋我(北寿)とも深く交わっていた。彼の死の知らせを受けてこの40才以上も年上の友を悼む詩を作っている(一部割愛・蕪村30才)。この詩が世に知られるようになったのは、これより半世紀後、蕪村没後であった。



<北寿老仙をいたむ>      蕪村

君あしたに去ぬゆうべのこころ千々に
何ぞはるかなる

君をおもうて岡のべに行きつ遊ぶ
岡のべ何ぞかくかなしき

蒲公の黄に薺(なづな)のしろう咲きたる
見る人ぞなき

雉子(きぎす)のあるか ひたなきに鳴くを聞けば
友ありき河をへだてて住みにき

へげのけぶり(注1)のはと打(うち)ちれば西吹く風の
はげしくて小竹原(をざさはら)真(ま)すげはら
のがるべきかたぞなき

友ありき河をへだてて住みにき
今日はほろりとも鳴かぬ

君あしたに去ぬゆうべのこころ千々に
何ぞはるかなる
  (注1)へげのけぶり=変り果てた煙

 
 蕪村はまた画家としても高く評価され、池大雅の「十便図」とともに「十宣図」で、また「夜色楼台図」が国宝となっている。その外に六曲一隻の「奥の細道図」や「鳶鴉図」なども。
 ここで蕪村の代表的な句を挙げてみたい。
・鳥羽殿へ五六騎いそぐ野分かな
・夏河を越すうれしさよ手に草履
・月天心貧しき町を通りけり
・老が恋わすれんとすればしぐれかな
・春の海終日(ひねもす)のたりのたりかな
・なの花や月は東に日は西に
・しら梅に明(あく)る夜ばかりとなりにけり




◆次回の定例句会は、1月21日(土)午後1時〜3時40分
               於 高井戸地域区民センター   
 兼題は「雑煮・喰積(くいつみ)」当季雑詠で計3句です。

                                     ◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
                       
メインメニュー
最新の活動報告
活動報告のカテゴリ一覧
リンク