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活動報告 - 俳句同好会  (H.23.5.14)  No.15

俳句同好会  (H.23.5.14)  No.15

カテゴリ : 
俳句同好会
執筆 : 
m-anzai 2011-5-23 16:49
◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時から4時まで、主として久我山会館で開催しております。(出席者は10名程度)
一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。

◆毎回、その月の数名の作品を紹介いたします。


・5月の作品の紹介
・5月の兼題は、春愁、新緑です。

◎山口満(俳号・月山)

・青銅の馬いななくや青嵐

・新緑やしづまりかへるダムの水

◎堀秀夫(俳号・秀堂)

・春愁やがれきの山の海静か

・春愁や「故郷」歌ふ合唱団

◎長岡隆司(俳号・帰山)

・葉桜や過ぎし月日の見えかくれ

・たかんなの耐震構造十二階

◎峯岸誠(俳号・まこと)

・囀りや瀬音の混じる懐古園

◎伊尾喜小夜子

・新緑や光の中へ子等の声

◎岡村一道

・新緑をのみ込む嬰児大欠伸


◆<私の一句>      岡村一道

・肋骨のごとく陸中初明り
・古本街吾だけ駈けて冬の雲
一句目が平成元年一月、二句目が平成元年二月に朝日俳壇金子兜太先生の天賞に選ばれました。昭和48年、あるきっかけがあり結社に入会し俳句を作りはじめました。それから約十年仕事は多忙でしたが月一回上野文化会館にて開かれる例会に出席し頑張ってきましたが私が未熟であったのか結社との相性が悪かったのかあまり評価されず俳句がつまらなくなっていました。その上業務の上でも多忙な年代を迎えたこともあり俳句をやめる決意をし結社を退社いたしました。それから五、六年業界の俳句同好会に加わる一方新聞俳壇の投句をはじめました。そして先の二句が俳句を人生の友としようと決意させ現在に到る大きなターニングポイントとなりました。
金子兜太評:1句目「岡村氏の句は旅吟と思うが、別のとき体験した陸中海岸を想起しているのかもしれない。リアス式海岸の連なりを元日東天の曙光が影ふかく浮かび上がらせていて、肋骨のたとえがお見事」
2句目「岡村氏の句は軽い意外性のおかしさで、駈ける人などいるはずもない冬の古本街を駈けてゆく自分に驚いているのだ。冬の雲もぽかんとしている。」
これから俳句を始めようと思う方、又現在俳句でお悩みの方、必ずあなたの作風、俳句哲学に合った師がいるはずです。作句の基礎勉強を怠らずその機会を待ちましょう。あなたの俳句が大輪の花を咲かせるであろうと私は確信します。そして俳句があなたの人生の友となりますように。


  
◆<柏の宮・塚山公園吟行  俵木陶光 記>
四月十五日(金)
参加者:浦田久・堀秀堂・芳村翡翠・片山朝陽・安西円覚・鈴木双樹・岡村一道・俵木陶光
楽しみにしていた横浜吟行も大きな余震のため秋に延期し、急遽、浜田山から柏の宮・塚山公園を散策することにした。かっては日本興業銀行・三井不動産・新日鉄などのそれぞれ広いグランドの集っているところであり、井の頭沿線はこの種のグランドが多い所である。
柏の宮公園はかって太田道灌が鶴岡八幡の別殿を柏木某に建立させたことにさかのぼり、現在杉並区の公園になっている。
この日、爽やかな風が吹き、駅からの道にはすでに桜が散りはじめていた。

・そよ風にはらはらと散る花の道   久
・四十雀鳴ゐて吟行日和かな  陶光
以前プールだった池は、目高の学校となっていた。
・花弁(はなびら)をつついて遊ぶ目高の子   双樹
・光る池目高の学校休みなく   朝陽

池の先は傾斜地(いわゆる崖線ーがいせん)となり、松籟の音とともに爽やかな風が吹き上げていた。坂の下は一寸した田圃となり、田植、稲刈が行われる。
崖線の一角は日本庭園となり、隠れるように茶室もあった。
・水温む林丘亭といふ茶室   秀堂
この茶室は小浜藩主酒井忠勝の下屋敷に小堀遠州が造営し、それを後年ここに移築したものである。林丘亭の名の通りの場所である。
公園の広場に出ると花見の家族や犬と散歩の人たち、染井吉野は花吹雪となり、白い大島桜は今満開であった。


・そよ風や齢(よわい)重ねて花筵(むしろ)   円覚
・風光る公園デビューの犬仲間   秀堂
・たわわなる大島桜こぼれ初む   朝陽
・風に舞ふ花の哀しさ我身とも   円覚

テニスコートの脇を通り高井戸中学に隣接している三井森の公園(旧杉並区保護樹林)に入った。犬四手(いぬしでー別名 ソロ)の高木林の中のテーブルに坐って軽い昼食をとった。その間も遠慮なく犬四手の花殻がテーブルの上にも降っていた。
・弁当のやりとりもして春の昼   陶光
つぎに塚山公園を目指した。途中、インコの鳥籠を持った話好きの御婦人に会った。
・鳥籠と散歩の老婆花吹雪   陶光
・花吹雪浴びてパトカー疾走す   翡翠

そこは、いざ鎌倉橋? 鎌倉橋から神田川を覗くと桜の花片が川巾いっぱい埋め尽くしていた。
・花筏かき分けてゆく鯉一尾   翡翠
・風さわぐ鯉の頭上の花筏   円覚
・葉桜のちぎれて鯉の月桂樹   一道

塚山公園はもと朝日新聞社の所有地であったが、昭和48年築地の国有地と交換し、後ここは杉並区の公園となった。ここには旧石器時代から縄文時代中期にかけての集落跡があり、武蔵野台地最古の石器も出土している。竪穴住居の実物大模型もあり家族の往時の生活が見てとれる。

・春の宵縄文ファミリー甦り   久
・縄文の深鉢に春おしみけり   陶光

句会は風に用紙を飛ばされたりしながらも如何にも吟行の句会らしく、四人掛のテーブルに八人詰めるなど野趣あるものとなった。
・闌春の景となりたり吟行会   一道
句会終了後、駅の隣りの店に寄り込んでのどを湿らすこととなった。

横浜の吟行は秋に、また、来年の春には、スカイツリーが出来上がった新しい下町などを吟行する予定です。



◆次回の句会は、6月11日(土)午後1時半より4時
会場は、高井戸地域区民センター(仮設建物)第一集会室です。
 兼題は走り梅雨・ビールです。

◆句会についてのお問い合わせ先:片山 惠夫(俳句会事務局長)まで
 TEL042−675−9449


文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)

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