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活動報告 - 俳句同好会 (白木蓮俳句会) (H.31.2.9)  No.108

俳句同好会 (白木蓮俳句会) (H.31.2.9)  No.108

カテゴリ : 
俳句同好会
執筆 : 
m-anzai 2019-2-24 8:45

◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
    
・2月の作品の紹介
・2月の兼題は、「立春」・「当季雑詠」で3句です。
                出題:安西 円覚
                選句:俵木 陶光
              
       
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・鳩鳴いて烟の如き春に入る     夏目漱石
・オリオンの真下春立つ雪の宿    前田普羅
・さざ波は立春の譜をひろげたり   渡辺水巴
・山の音山の香春の来つつあり    黒木野雨
・制服のわっと春立つ匂ひかな    橋本千代子
・春立つや雪ふる夜の隅田川     角川春樹



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俵木 陶光

・嬰児はととととととと春になる


岡村 一道

・立春の街あとにする昇降機


芳村 翡翠

・立春の闇に吸はれし川の音


長岡 帰山

・雪消へてごつんと春につき当たる


片山 朝陽
 
・シャガールの青のつぶやき春の宵


安西 円覚

・立春や加賀を周遊レンタカー


山下 天真

・指で割る薄氷
(うすらひ)鳥にせがまれて

浦田 久

・釣天狗道具揃へて春の夢


堀 秀堂

・立春や八十路揃ひてカラオケへ
 

小林美絵子

・丸い頬「ん」って振り向く春隣
 

坂井 百合子
 
・春立ちて光あふるる車窓かな
 

中邑雅子

・寒明けて潤み初めたる空の色


五井 夢

・強風にたわむ老木春幾重


菊池 幸

・木々渡る風の香りや春来たる


村林 小枝子

・菜の花や近づく送迎シルバー車


荻須 節子

・バス停に話はずみて春立ちぬ


山路 久美子

・雪雲を纏ひて眉の月沈む




◆私の一句
  
この道は 先師の夢の枯野かな                       
山下 天真

 これは芭蕉の夢であり、私の夢でもあります。私は10歳の頃、父の供で八王子の丘陵を歩いている時に見た雑木林の風景を今も鮮明に記憶しています。青空に伸びた枯野を美しいと感じ、人にも家族にも語る事無く心の片すみに仕舞い込んでいました。
こんなひねくれた性格は、古希になった今も変わらないようで、華美なものには全く興味が無く、花は控え目にさり気なく咲くのを好み 、八重よりは一重、桜なら山ざくら、椿は侘助 、このように質素な日本の自然への思いは、年々深まるばかりです。そこには他を押しのけて自己主張するのではなく、全てを受け入れる優しさがあると思います。それが日本の風土ではないでしょうか。
私は俳句の経験が浅いのですが、40年程前から縁あって坐禅を続けています。臨済宗、曹洞宗二つの在家禅を経て、生涯の師と仰ぐ井上義寛老師と出会いました。老師は曹洞宗の住職のみならず、参禅弁道を熱心に指導されていました。禅宗の坊さんと坐禅、当然の事と思われるでしょうが、当時の私は僧堂に仏法ないとさえ思っていました。でも初めてお会いした瞬間、この人は本物と感じました。
それから老師の元に通い詰め、坐禅はもとより日常生活のあり様など多くのことを学びました。ある時老師と二人になった時、師が 芭蕉の古池や蛙飛び込む水の音 閑さや岩にしみ入る蟬の声の2句を示し、「古池 」「岩 」が分かるといいですねとおっしゃいました。師匠も私も俳句とは無縁のころです。曹洞宗には公案の形態はないのですが、日常生活の全てが公案と言っても過言ではありません。これは奥の深い公案です。
芭蕉句集には、古池 の句以降に名句が数多く残されていると思います。このことを師匠に尋ねる機会なく、平成25年に義寛老師は遷化されました。

                           
   
◆次回の定例句会は、3月9日(土)13時〜15時40分
                於 高井戸地域区民センター 

  兼題は、「花冷」・「当季雑詠」の3句提出


                                  
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

◆文責:  俵木 敏光(陶光)

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