活動報告 - 俳句同好会 （白木蓮俳句会） （Ｈ.２６.６．１４） Ｎｏ.5２
◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後１時半から４時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。（出席者は１０名程度）一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
・６月の作品の紹介（アイウエオ順繰り回し）
・６月の兼題は、「五月雨」・「海月（くらげ）」です。
小林 美絵子
・五月雨や銀座結びに帯締めて
坂井 百合子
・見送りて五月雨を聴く一人かな
鈴木 健
・五月雨やばら藤ぼたん初鰹
関口 静安
・水族館ジャンボ海月も役に立ち
俵木 陶光
・五月雨や出さねばならぬ返事あり
中邑 雅子
・五月雨や秘仏公開の列につく
長岡 帰山
・今しばし生きる五月雨樋直す
堀 秀堂
・五月雨を子守唄とし消灯す
峯岸 まこと
・五月雨や塔の宝珠の煌めけり
山下 天真
・五月雨の音聞き分けし坐禅堂
芳村 翡翠
・五月雨や一日籠りて俳書読む
安西 円覚
・五月雨や羽の重たき濡れ雀
浦田 久
・�鷂佑瞭簓睛靴領肯�ち海月かな
岡村 一道
・海月浮くや神話を語る巫女めきぬ
片山 朝陽
・バルチック艦隊まねて海月くる
五井 夢
・五月雨を孕んで雲の影重き
◆＜私の一句・戦時下の思い出＞
戦利品の車の走る夏野かな 堀 秀堂
戦時色が濃くなって来た昭和15年、初めて空襲を受けた場所は台湾の高雄市で、空襲警報のサイレンが鳴り防空壕に祖母やお手伝いさんと入った。その時は日本の海軍機が中国本土からの空軍機を撃退し助かった。母は銃後の守りの婦人会幹部で忙しく、中国戦線から戻った病院船の対応に出向いていた。翌16年12月大東亜戦争に突入し、英軍の東洋艦隊を撃沈し、制海制空権を手中に収め、要塞シンガポールとマレーシアを陥落占領、インドネシアでは落下傘部隊が油田を占領し、オランダ軍を破り、戦勝祝賀会や祝賀行列が続いた。台北市街では、戦利品の米英の白タイヤを履いた大型自動車が走り、捕獲した戦車、武器の陳列もあった。あとに父の義兄（当時の台湾総督）に会った際、その応接間と次の間には大量の洋酒、葉巻などの戦利品があった。
グラマンの夏野横切る疎開先 秀堂
国民学校4年生になると集団登校が始まり、教育勅語、軍人勅諭、歴代天皇の暗記や従来の柔剣道・跳び箱・水泳の他に鉄棒の大車輪・空中転回・銃剣術が加えられた。陸・海・空軍、文・理系の適否を、先生が見ていた。5年生になると250キロ或いは1トン爆弾の直撃を受け、長官官邸が一瞬のうちに消滅し広大な更地になってしまっていた。児童達の疎開も始まり、私共は北投温泉経由奥の草山温泉の教育会館に男女半々計40名が入った。1部屋10名の4部屋4班に編成され、和歌の「敷島の大和心をひととはば朝日に匂ふ山ざくら花」から敷島班、大和班（男子）、朝日班、山桜班は（女子）と命名された。食糧は配給制でおやつは父母から貰い勉強をした。その頃になると米グラマン機の低空飛行で時々操縦士の顔を見る戦況となっていたこと、今でも忘れられない。
付）陶光も似たような経験をしたので一筆。
小学校3年の12月に戦争が始まり、戦時下の昭和20年4月全寮制の正明中学（名誉校長は平沼麒一郎）に入学した。寮は元村山貯水池（狭山湖）畔にあったホテルを利用したもので1室10名（班長は上級生）で戦時色豊かな名称で第1班が一誠隊、次は、富岳隊、御楯隊、至誠隊、護国隊、無窮隊、七生隊、八紘隊、苦闘隊、闘魂隊というものであった。敗戦になったのはその年の8月であった。
◆次回の定例句会は、７月１２日（土）午後１時３０分〜４時
於 久我山会館
兼題は「（山）滴り」・「蛇苺」です
◆句会についてのお問い合わせ先： 安西 光昭（円覚）まで
ＴＥＬ ０９０−３１４５−２６５４
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光（陶光）