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活動報告 - フォーレ「レクイエム」 (中大混声合唱団演奏会)

フォーレ「レクイエム」 (中大混声合唱団演奏会)

カテゴリ : 
会員のひろば
執筆 : 
t-ihara 2012-9-30 12:00
 支部の幹事会に、中央大学音楽研究会混声合唱団の現役メンバーがやって来た。
20数名の私たち役員の前で、9月28日に49回目になる定期演奏会を開催すると言う。
今回のメイン曲は、フォーレの「レクイエム」。
演奏会場が我が支部の地元「杉並公会堂」だと言うので、行くことにした。



 昭和32年に建てられた杉並公会堂は、その後建て替えられて、6年ほど前に今の新しい姿でオープンした。1190席を有する大ホールは、箱型のシューボックス形式で、本格的なクラシックコンサートを主目的に設計されている。
大ホールの音響は良く、演奏会場も楽器の一部であるとはよく言われるが、ここで聴いていると確かにそうだと実感する。

 世田谷区にある人見記念講堂ホールも、良い演奏会場の一つとして名高い場所だ。あの舞台の端から客席側に真上にすっと切り上がった空間は、楽器の共鳴箱よろしく音を捉えて演奏者にそのまま戻して来る。自分の出した音が戻って来てよく聞こえるというのは演奏家にとっては嬉しいこと、自ずから演奏がし易くなるのだから、すこぶる評判がいい。

 杉並公会堂も、音の戻りはいいようだ。(いや良すぎて、かえって邪魔に思うかもしれないほどだ。)
そのためか、合唱団の歌声も、殊のほか美しく響いて来た。勿論もともと美声なのであり、別にホールの音響の為に特別に声が美しくなった訳ではないだろうが。
それにしても、これだけのレベルの美しい声、美しいハーモニーを聴けるとは、ここに来るまで想像はしていなかった。

 フォーレの「レクイエム」は、モーツアルト、ヴェルディのそれと並ぶ三大レクイエムのひとつである。
ドイツ、イタリア、フランスという国柄の違いもあるが、フランスのエスプリを利かせたフェーレの「レクイエム」は、また違った響きと魅力を持っている。
また、フェーレの「レクイエム」の楽曲には、通常カトリックの死者のためのミサでは必須である「怒りの日」などがなく、度々「死の恐ろしさが表現されていない」などと批判されて来た。彼自身が手紙に書いている「私には、死はそのように感じられるのであり、それは苦しみというより、むしろ永遠の至福の喜びに満ちた開放感に他なりません」という思いが、そうさせたのであり、死に対する明るい気持ちが曲の随所にも表れて、美しさに輪を掛けているようだ。

 実に楽しめた演奏会だった。

 なお、次回の演奏会は、12月22日(土)に年末恒例のベートーベン第九交響曲を予定してるそうだ。(会場は、八王子のオリンパスホール)
期待してみよう。
http://c-konsei.lolipop.jp/concert.php


 (井原太一 記)

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