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活動報告 - 俳句同好会カテゴリのエントリ


◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。

◆毎回、その月の作品を紹介いたします。

・7月の作品の紹介
・7月の兼題は、「瀧」・「蛞蝓(なめくぢ)」です。


俵木 陶光
 
・なめくぢや迷ひの多き銀の道

岡村 一道 
・みな夢をみるなめくぢはそらをとぶ夢

坂井 百合子 
・なめくじり裸一貫どこへ行く

安西 円覚
・大仏の手の上這ふやなめくぢら

峯岸 まこと 
・蛞蝓の銀の一筋山の神

芳村 翡翠 
・はるか来てはるかへと去る蛞蝓(なめくぢら)

長岡 帰山 
・音を消し己を消して瀧行者

片山 朝陽 
・落日の光る西海瀧見ゆる

澤田 かつみ 
・男体山(なんたい)を支へ華厳の滝光る

本間 邦子 
・水しぶき浴びて佇む瀧の裏

中邑 雅子 
・滝を見て帰る脳裏に滝の音

小林 美絵子 
・若き日の母と見し白糸の滝

浦田 久 
・瀧修行無念夢想の虚空かな

堀 秀堂 
・千年も打たれ続けて瀧の石

関口 静安 
・白糸の滝の一列並びおつ

五井 夢 
・微睡(まどろ)みて天井桟敷の富士の瀧




◆ <私の一句>        

 近づいて来しほうたるはついとそれ
    俵木 陶光

 毎年6月の末、井の頭線久我山駅の周辺で蛍祭りを行っている。
第1会場は駅前の神田川沿い。第2会場は500メートル先の玉川上水。子供達が帰った9時過ぎ、幻想的な蛍の夜となる。
 蛍は、亡くなった人の魂が小さな光となって戻って来る、とも語られている。その夜、一匹の蛍がすぐ近くまで来たので数ヶ月前に亡くなった妻ではないかと、思わず手を伸ばしたが、蛍はついとそれて行ってしまった。


 女性の蛍に対する感性には独特なものを感じさせる。
  ・ゆるやかに着てひとと逢ふほたるの夜   桂 信子
  ・死なうかと囁かれしは蛍の夜        鈴木真砂女
  ・じゃんけんに負けて蛍に生れたの     池田澄子
 男性の句も3句揚げておきたい。
  ・蛍火や疾風(はやて)のごとき母の脈   石田波郷
  ・人殺す我かも知らず飛ぶ蛍         前田普羅
  ・ほうたるほうたるなんでもないよ      種田山頭火


 
◆次回の句会は、8月10日(土)1時半より4時半
会場は、久我山会館です。
兼題は、「アイスクリーム」・「ひまわり」です。

◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(俳句会事務局長)まで
                 TEL 090−3145−2654

◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。

◆毎回、その月の作品を紹介いたします。

・6月の作品の紹介
・6月の兼題は、「鮎」・「時の記念日」です。


俵木 陶光
 
・鮎買ふて塩ぱっぱっと振りにけり

岡村 一道 
・鮎の瀬や若き体臭吉祥寺

小林 美絵子 
・満天の星空の下鮎眠る

片山 朝陽
・月光や静かにゆるる鮎の影

安西 円覚 
・時の日や虫入り琥珀覗きをり

坂井 百合子 
・時の日のいにしへを知る白鳳仏

浦田 久 
・瀬戸凪に時の祭の出船かな

中邑 雅子 
・時の日や時の眠れる異人館

長岡 帰山 
・晩酌や時の記念日ゆるやかに

堀 秀堂 
・時の日の和光の前に時間待つ

芳村 翡翠 
・若鮎の遡上にしぶく堰の水

本間 邦子 
・夕食は父の土産の鮎なりき

五井 夢 
・鮎喰はばいのちの刹那ほのにがき





◆ <私の一句>        

 「くちなしの白よりもなお君の白」
    小林 美絵子

 5年前の私に、友人が句会に誘ってくれた。司会やナレーターをしているので、仕事柄俳句を読むことはあったが、自分で作ることなど考えたことも無かった。
丁度その頃、河東碧梧桐の「ミモーザを活けて一日留守にしたベッドの白く」を見て心の揺れを表してみたい!と思った。難しく考えず、いつもどうりの話ことばで良いらしく、それならと、その気になってしまった。
  「くちなしの白よりもなお君の白」
私が初めて作った句である。
自分の俳句を声に出して読むと、また違った世界が広がる。視覚性はもちろん、口誦性も大切なのだと知る。不意に訪れる心の揺れを俳句にしたいと思った。
私はその心の揺れを花からもらうことが多い。

 私が20歳の時だった。
「お嫁にいってお花も活けられなかったらどうするの!」大正生まれの母は私を強制的に駅前の「草月流いけばな教室」に入れた。母は花が大好きだったので床の間など無い家のなか、テレビの上 台所 お手洗い あちこち花が飾られていた。小さな庭は母が無造作に育てた草木でいっぱいで、洗濯物を干す時は細心の注意を払わなくてはならなかった。
 くちなし 小菊 ばら 都忘れ 沈丁花 椿 梅 桃 つつじ 鈴蘭。
初めての華道教室で私は毎週花との出会いにすっかり虜になり、今週はどんな花に会えるかと待ち遠しく、美しい先生が80歳で教室を閉めるまで30年以上指導していただいた。人生に花は欠かせない。なんでもないことが、楽しく思えたり、思い出が美しく輝いたり、ついでに恋をしていた頃を思い出したり・・・。

今年もくちなしが美しく咲く季節がきた。


◆次回の句会は、7月13日(土)1時半より4時半
会場は、高井戸地域区民センターです。
兼題は、「瀧」・「蛞蝓(なめくじ)」です。

◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(俳句会事務局長)まで
                 TEL 090−3145−2654

◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。

◆毎回、その月の作品を紹介いたします。

・5月の作品の紹介
・5月の兼題は、「愛鳥週間」・「牡丹」です。

俵木 陶光
 
・愛鳥週間領空宣言声かぎり

岡村 一道 
・牡丹(ぼうたん)をほめ能書を聞くことに

芳村 翡翠 
・沈金の闇に咲きたる牡丹かな

長岡 帰山 
・ぼうたんを揺らすは誰ぞ千の風

中邑 雅子 
・咲き定まる牡丹の花の奢りかな

本間 邦子 
・軽鴨の雛母を追ふ愛鳥日

安西 円覚 
・とりあへず盥に入れし牡丹かな

片山 朝陽 
・盲導犬牡丹のそばへ歩をゆるめ

澤田 かつみ 
・牡丹一輪心を燃やすひとりかな

五井 夢 
・バードディ人は鳥になりたくて酔ふ

小林 美絵子 
・飛べそうな気がする愛鳥週間来(く)

堀 秀堂 
・愛鳥週間おしゃべり雀の数も減り

峯岸 まこと 
・長谷寺の登廊に沿ひ牡丹満つ

浦田 久 
・愛鳥の日の囀りや空を切り

百合子 
・鳥の日や鳥のカップに深煎りを





◆ 長岡帰山句集『観音』に寄せて
    俵木 陶光 


・くわんおんの御(おん)腰揺ぐ暮春かな
           (渡岸寺十一面観音)

・観音の御(み)手のひとつに白牡丹

・観世音肩まろやかに夏は来ぬ



なお、句集『観音』(NHK俳句選者・神野沙希さん鑑賞分付き)ご希望の方は、長岡帰山さんまでご連絡下さい。連絡先は下記の通り。
電話 (03)3398−4481



       
                               
 



◆ 旅吟
       長岡 帰山
                
  『観涛』ー釜山港まで         
(13万8千トンのボイジャー・オブ・ザ・シーズ号より)
 


・大海は津波を忘れ雲の峰

・一と筋の航跡ながき夏の海

・夏の雲四方涯なき太平洋

・沖を見て昔みている夏の旅

・藍よりも青き薩摩の端午空

・夏雲を火の山に据え鳶の舞

・列島の最西端を航暑し

・うなさかは湾曲にして明易き

・行く春の潮渡り来し和仁博士

・暮れてなほ銀色の沖夏の雲

・また沈む陽を見て鎮む夏の航

・西日射す位置の変りて釜山港

・一湾に卯波をあつめ着岸す

・客船を出てそれぞれの日傘かな

・韓国の水脈引き帰る夕薄暑

・花嫁の船内あるく夏の宵

・夏の航盛装婦人杖つける

・長崎の風に脈打つ鯉のぼり

・巴里に航く夜の船あり彼岸西風

・大空はきのふの虹を記憶せず


                             







◆次回の句会は、6月8日(土)1時半より4時半
会場は、高井戸地域区民センターです。
兼題は、「時の記念日」・「鮎」です。

◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(俳句会事務局長)まで
 TEL 090−3145−2654

◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。

◆毎回、その月の作品を紹介いたします。

・4月の作品の紹介
・4月の兼題は、「辛夷(こぶし)」・「浅蜊」です。


俵木 陶光
 
・辛夷咲く多摩の校庭鳥の声

岡村 一道 
・辛夷咲く鎌倉海道古武士めく

長岡 帰山 
・海底も富士の裾野や浅蜊掻く

堀 秀堂
・辛夷咲く筧(かけい)の水の音弾む

芳村 翡翠 
・天に向けそそる白塔花辛夷

中邑 雅子 
・ふるさとの空に続くや花辛夷

本間 邦子 
・風吹けば辛夷の花みな大笑い

小林 美絵子 
・浅蜊ご飯少し焦げてる玉子焼

五井 夢 
・風と去る重きひとひら辛夷今

安西 円覚 
・花辛夷桟橋に鳴るドラの音

片山 朝陽 
・ふるさとの夕餉の味や浅蜊汁

峯岸 まこと 
・神苑の地に触るるかに紅枝垂

澤田 かつみ 
・せせらぎや空ひろがりて花辛夷

浦田 久 
・花辛夷いのちの躍動糧にして
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
山口 月山  
・潮引くや動かぬままの浅蜊舟



◆ 長岡帰山さん 句集『観音』の紹介
       
 
                               
 長岡帰山さんが第四句集『観音』を刊行されました。全308句。
天金入りで、14ページに亘る賞状の写真なども。(定価・本体5000円+税)
別冊として、神野沙希さんの栞として15句鑑賞付き。そのうち四季2句ずつ下記の通り掲載します。

・羯諦羯諦波羅僧羯諦猫の恋

・観梅のひと仰向けに通りけり

・円虹を仰ぐ今生の出口とし

・さくらんぼ嗚呼さくらんぼ孫が欲し

・月光に濁世のまなこ曝しけり

・帰る山わが名に負ふも雁のこゑ

・猟銃の乱射の煙はくもくれん

・冬夕焼そこまでの気がどこまでも




今後、更なる飛躍を祈ります。

なお、長岡帰山さんの連絡先は下記の通り。
電話 (03)3398−4481



◆次回の句会は、5月11日(土)1時半より4時半
会場は、高井戸地域区民センターです。
兼題は、「愛鳥週間」・「牡丹」です。

◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(俳句会事務局長)まで
                 TEL 090−3145−2654

◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。

◆毎回、その月の作品を紹介いたします。

・3月の作品の紹介
・3月の兼題は、「春場所」・「春の雪」です。


俵木 陶光
 
・春場所や今も大鵬手に賜杯

山口 月山  
・春場所や難波の空へふれ太鼓

岡村 一道 
・春の雪東京は坂多き街

長岡 帰山 
・かりそめのわが影を置く春の雪

峯岸 まこと
・湯の街の濡れて融けゆく春の雪

安西 円覚 
・ひとことも発せず消えし春の雪

片山 朝陽 
・石垣のすき間に消えし春の雪

五井 夢 
・現世(うつつよ)はきまぐれ心春の雪

中邑 雅子 
・降り積もる結願(けちがん)の日の春の雪

小林 美絵子 
・風光るホームに電車待つ五分

芳村 翡翠 
・春の雪昏れゆく海に溶け入りぬ

肥田 浩一 
・水墨の春の雪降る立石寺

堀 秀堂 
・春雪の戯れし夜の明けにけり

浦田 久 
・陽光に乱反射する春の雪



◆ 
『郷愁の詩人  与謝 蕪村』 を読んで
       
 (萩原 朔太郎著)昭和11年刊
                                安西 円覚
 2月の本稿で陶光先生が「蕪村」を取り上げられましたので「蕪村」入門書として最適と言われる本書を読んでみました。

遅き日のつもりて遠き昔かな  蕪村
(春の日の暮れるまで遅々としている日永(ひなが)の日々が、幾重にも積もって遠き昔に繋がっている)
 日本近代詩の父といわれる萩原朔太郎はこの句を、蕪村の代表俳句として挙げ、「蕪村のポエジー(詩)の実体は、時間の遠い彼岸に実在している彼の魂の故郷に対する《郷愁》であり、昔々しきりに思ふ子守唄の哀切な思慕であった。」と、一貫してこの言葉をリフレインし、また「青春性・浪漫性・洋画風」などの語が文章のあちこちに散りばめられています。
 枯淡とか寂び、風流という一般的特色と考えられている俳句を毛嫌いしていた朔太郎にとって唯一の例外として蕪村の俳句だけは好きでありました。そこに明治以後の詩壇における欧風の若い詩とも情趣に共通するものを感じ取っていたからです。
 一方、彼は、正岡子規の蕪村論に強烈に反論をしています。子規とその門下生の根岸派一派の俳人は自然をその「あるがままの印象」で単に平面的にスケッチする「写生主義」を当時唱えていた。そして蕪村こそがかれらの写生主義にマッチした規範的俳人とみなされていた。朔太郎は、蕪村が単なる写生主義者ではなくその句に情感が深く描かれ、郷愁が痛切にうたわれている真の叙情詩人であると主張する。
 このように本書では朔太郎は新しい詩人の鑑賞眼で古典俳句のリリック(抒情詩)の真の詩的精神を見直そうとしたのです。
 蕪村に関しては小生は”菜の花や月は東に日は西に”におけるように、色彩感覚がすぐれている句を作る、また画家の眼から作句してる人だな〜と十代の頃から感じていました。最近、近代・現代の俳句ばかり目にしていましたが、今回古典俳句に関するこの評論を読みまして古典俳句をより身近に感じ、もっともっと見直さなければと感じています。



◆次回の句会は、4月13日(土)1時半より4時半
会場は、久我山会館です。
兼題は、「浅蜊」・「辛夷(こぶし)」です。

◆句会についてのお問い合わせ先: 片山 惠夫(俳句会事務局長)まで
                 TEL 090−8773−4881

◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
 
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