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活動報告 - 俳句同好会カテゴリのエントリ


◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。

・5月の作品の紹介(アイウエオ順繰り回し)
・5月の兼題は、「夏野」・「玉葱」です。


五井 夢
・夏野原溶けて野となる子供たち

小林 美絵子 
・父がいてカツ丼の玉葱が好き

坂井 百合子 
・暮れるまで虫追ひかけし夏野かな

関口 静安 
・放牧の風に波打つ夏野原

俵木 陶光 
・月明の夏野に何かひそみゐる

長岡 帰山
・草笛を吹くたび広くなる夏野

堀 秀堂 
・勝ち戦夏野を走る戦利品

中邑 雅子 
・たのもしき玉葱の芽や厨事

峯岸 まこと 
・北八ツの小祠(しょうし) 夏野に埋まれり

山下 洋一 
・夏野にはゆれる木陰とにぎりめし

芳村 翡翠 
・立ち昇る草の匂ひの夏野かな

安西 円覚 
・児の帰宅夏野の匂ひ引っさげて

浦田 久 
・球が飛び夏野に沈み雲隠れ

岡村 一道 
・コーラスの一団過(よ) ぎる夏野かな

片山 朝陽 
・思ひきりジーパン大の字夏野かな




◆<私の一句>
     堀 秀堂

 夏野くる庭の果樹の木萌え動く

 昭和9年、私の生まれた台湾・台中市で敗戦、残留を経験。昭和22年の帰国まで、私の幼少年期は戦争の中にいた。私たちの住んでいた官舎の多くの庭は広く、夜はキヨン(注:狐の一種)が来たり、月下美人が花を咲かせたり、さすがに南方の台北市であった(それでも四季は有ったが)。この句は庭の風景で、多くの官舎では塀に沿って果樹が多く、バナナ、パパイヤは手を加えずに実った。特にバナナは熟したら自ら倒れ、根から新しい芽が生えて来てはまた実るので、塀の一角にとどめるのが大変であった。この句の動くとはそのさまでもある。もいでもそのまま食べられるが、八百屋の室(むろ)で塾させた方が美味であった。残りは大量に廃棄されていた。
 台湾は蓬莱と言われ温暖で、米は二毛作、野菜、果物や砂糖キビも豊富、温泉、鉱物、ガス、石油、塩も産出し住みやすいところであった。 (つづく)
                         
 


  ◆次回の定例句会は、6月14日(土)午後1時30分〜4時
                     於 久我山会館
              兼題は「五月雨」・「海月」です


◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090−3145−2654

◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。

・4月の作品の紹介(アイウエオ順繰り回し)
・4月の兼題は、「春眠」・「花粉症」です。


片山 朝陽 
・言問橋花粉とともに渡りけり

五井 夢
・花粉症風の胡蝶の散る花か

小林 美絵子 
・春眠を湯船に溶かしまた眠る

坂井 百合子 
・春眠を蹴飛ばし弁当づくりかな

関口 静安 
・青春の悩みに朽ちた春眠の日

俵木 陶光 
・春眠や亀重なりて連なりて

長岡 帰山
・ご神木注連(しめ)さげて花粉撒く

堀 秀堂 
・春眠の不覚乗り越し後絶たず

中邑 雅子 
・雨音の夢に入り来て春眠し

芳村 翡翠 
・春眠や嬰児の笑み何の夢

安西 円覚 
・花粉症勲一等の翁にも

浦田 久 
・春眠やまどろむ夢よ桃源郷

岡村 一道 
・花粉飛ぶ魔女の箒を貸して下さい




◆<私の一句>
     岡村 一道

   「今日妻の予定びっしり紺朝顔」
   
 
 昨年NHK全国俳句大会に応募した句の中から特選に選ばれた句です。 
NHKホールにて表彰セレモニーに参加してテレビ放映の栄誉を得たものであります。NHKが俳句界の最高峰であるとは思いませんが、約五万句から選ばれたことは私の俳句人生の集大成であると自己満足をしています。
 和気あいあいとやっております俳句同好会ですが最近は会員の作句レベルが向上し、朝日俳壇入選の常連となった方も出てきて、月例句会の選句が楽しみになって来ました。
 句を作ることと他の人の句を鑑賞することは俳句の両輪であります。これからもよい句を作り、よい句を鑑賞して皆で頑張っていきたいと思っています。



  ◆次回の定例句会は、5月10日(土)午後1時30分〜4時
                     於 久我山会館
              兼題は「夏野」・「玉葱」です

◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090−3145−2654

◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。

・3月の作品の紹介(アイウエオ順繰り回し)
・3月の兼題は、「囀」・「雛祭」です。



岡村 一道 
・囀りやこの国捨てたものでなし

片山 朝陽 
・囀をシャワーの泡に包み込み

五井 夢
・夫(つま)よ吾が雛毛氈に帰り来よ

小林 美絵子 
・囀りや歩巾大きく踏み出して

坂井 百合子 
・さへづりに誘はれ空に遊びをり

鈴木 健 
・孫五人仲良く育ち雛祭り

関口 静安 
・囀や昨夜の豪雨上がりゆく

俵木 陶光 
・雛たちの真夜中何をしてるやら

長岡 帰山
・囀りを空よりこぼし雨情の碑

堀 秀堂 
・階段にびっしり並べ雛飾り

中邑 雅子 
・ゆるやかな流れ選びて雛流す

峯岸 まこと 
・四半世紀眼交さぬ夫婦雛

芳村 翡翠 
・谺して囀ひびく雑木山

安西 円覚 
・囀や俳句手帳を少し埋め

浦田 久 
・竹林に囀り競うシンフォニー




◆<私の一句>
     浦田 久

   「豪雪に掘り当てたるや土恋し」
   久
  この句は何の変哲もない一句ですが、私にとっては約70年以上前に住んだ当時の樺太・豊原市(現在、ロシアの領土ユジノ・サハリン)での幼少期の思い出でもあります。
 東京に住んでいた私達家族は、父の仕事の関係で昭和13年1月頃、津軽海峡・北海道を経由、宗谷海峡の連絡船に揺られながら2日がかりで樺太に渡りました。極寒の地に着いたとき、内地との気温の落差に先ず驚きましたが、予め用意されていた暖房完備(燃料の石炭は無尽蔵)、二重窓の住居に落着きほっとしました。周辺の戸建ての住宅の敷地は、どこの家も広くとってあり、家屋は四角い土手の境界で囲まれていました。私達が住んだ家もテニスコート片面位の庭付きでした。
豊原市は、樺太地方の中心都市で人口は3万位でした。次第に現地での生活にも馴れ、改めて此の土地の自然の豊かさを感じ、又、オホーツク海で獲れた新鮮なおいしい魚貝類(タラバカニ、サケ、ニシン等)を食することができ、庭の一隅にはアスパラガスやかぼちゃ等を作り平和な日常でした。
 私は、地元の小学校(当時は、尋常高等小学校)に入学。家が近かったので仲良くなった友達が何人か下校途中に立ち寄ってくれるようになりました。マンガを読んだり庭でキャッチボール等をして遊んだりしたが冬季には、雪合戦や雪だるまを作り、ときにはミニジャンプ台を作って滑降の練習等をして楽しみました。
 そんな遊びの中で一番喜び合ったのは共同作業で秋田県の”かまくら”を参考に雪穴を作り、出来上がったその中で、ワイワイがやがやお菓子を食べながらおしゃべりをすることでした。この雪穴作りでどんどん掘り下げていき地面にぶつかったりすると大きな発見をしたように「土が見えたぞ〜」と大声で叫んだものでした。
  1年のうちの3分の1以上は、雪に閉ざされた白銀の世界の生活環境の中では、黒々とした地面を見つけた途端、凍土であっても手袋を脱いでそっと素手で触れる等して、感嘆の声をあげていたことが今でも思い浮かんできます。やはり人間は”大地の子”で土(地面)に接すると無限の愛着と安らぎを感じるのではないでしょうか。
 白銀の世界での生活も4年足らずで終わり、父は今度は大阪への転勤となりました。今でも当時の小学校同期会が続いています。



  ◆次回の定例句会は、4月12日(土)午後1時30分〜4時
                     於 高井戸地域区民センター
              兼題は「春眠」・「花粉症」です

◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)(俳句会事務局長)まで
                 TEL 090−3145−2654

◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。

・2月の作品の紹介(アイウエオ順繰り回し)
・2月の兼題は、「立春」・「海苔」です。

浦田 久 
・多摩川に春立つ息吹まぶしくて

岡村 一道 
・立春や油を注ぐポンプ井戸

片山 朝陽 
・炊きたての御飯にのせて今朝の海苔

五井 夢
・紅藻緑藻お魚だった日のわたし

小林 美絵子 
・カーテンを替えてみようか海苔あぶる

坂井 百合子 
・立春やようやく心あらたまり

澤田 かつみ 
・立春の夢にSL走り来る

関口 静安 
・立春を過ぎおだやかな日も近し

俵木 陶光 
・海苔を掻く波やはらかき城ヶ島

長岡 帰山
・立春大吉赤一色の中華街

堀 秀堂 
・ありたけの筏が命海苔の海

中邑 雅子 
・街路樹の影やはらかし春立つ日

芳村 翡翠 
・一湾の波の揺らぎや海苔日和

安西 円覚 
・海苔買ふや思ひはすでに故里に



◆<私の一句>
     俵木 陶光

   「海苔を掻く波やはらかき城ヶ島」
   陶光
 北原白秋の詩が好きである。特に「城ヶ島の雨」。城ヶ島には3回行った。
 30年程前の立春の日、何か心に充たされないものがあり、思い立って品川から電車に乗った。島中いたるところに野生の水仙が咲いていた。城ヶ島の断崖絶壁には無数の海鵜の洞穴があり、展望台もある。その辺から細い道を分けて海岸まで下りてみた。当時の句が残っていた。
      数百の鵜の動かずに冬了る   陶光  
 帰りに寄った食堂で食べた魳(かます)が何とも旨かった。
 2回目は15年程前の秋、「どんぐり」という同人誌の仲間5、6人で行った。
鵜の展望台からの細道は草に覆われて、見つけることは出来なかった。
 3回目は数年前の3月、「すぎなみ学びの楽園」の探索会であった。偶然、長岡帰山さんご夫妻と一しょだった。この日も品川から京浜急行の終点、三崎口からバスで城ヶ島大橋を渡って大きな「城ヶ島の雨」の碑の前に立った。その近辺の岩礁では手拭で頬かぶりをした女性5、6人が海苔を掻いていた。城ヶ島公園では鳶が頭上近くを旋回していた。
      春の鳶群れて房総影遠し   陶光
 途中角川源義の句碑があった
      火の島へ一帆指すよ芋の露   源義
 帰りは目と鼻の先の三崎港に寄った。
 2年前の春、高千穂・湯布院などを巡るツアーに参加した際、柳川では日本のベニスと言われている掘割の舟下りは妻にまかせ、ひとり白秋生家がある記念館へ寄り、ひとときを楽しんだ。
      柳川の堀に浮かびし春の宵    陶光 
 


 ◆次回の定例句会は、3月8日(土)午後1時30分〜4時
                     於 久我山会館
              兼題は「囀」・「雛祭」です

◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)(俳句会事務局長)まで
                 TEL 090−3145−2654

◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。

・1月の作品の紹介(アイウエオ順繰り回し)
・1月の兼題は、「初富士」・「風邪」です。

安西 円覚 
・意を決し二十句目指す風邪籠

浦田 久 
・初富士や日の出と共に朱に映えて

岡村 一道 
・鉄骨に最終初富士拝みけり

片山 朝陽 
・初富士に宇宙の青を賜りぬ

五井 夢
・初富士の言霊(ことだま)の国幸多し

小林 美絵子 
・風邪薬リボンを掛けて下さいな

坂井 百合子 
・初富士に真白き今日をもらひけり

澤田 かつみ 
・初富士や世界遺産を背負ひけり

関口 静安 
・初富士や山中湖畔の里巡り

俵木 陶光 
・きっぱりと初富士群青色の中

長岡 帰山
・初富士の紅(くれない)となる恵方かな

中邑 雅子 
・白湯飲みて西高東低風邪ごもり

堀 秀堂 
・母の背に初富士を指すこどもの手

芳村 翡翠 
・とっつきの悪さが増して風邪男



◆<友人からの一句>
     中邑 雅子

 「坂道や一気に冬の空へのび」  大嶺 洋子

 この句は盛岡在住の旧友の作で今から35年ほど前に彼女からのはがきの最後に書かれていたものです。それまで俳句といえば芭蕉の「古池や」や「静けさや」の句のように枯淡な心境を表現した文学ととらえていて、若い時はあまり縁の無いものと思っていました。この句によって身近な素材をそのまま取り上げて作ることができるのだとわかり、俳句に親近感を覚えたものでした。その後も彼女は折に触れて手紙やはがきの最後に近作として俳句を書いて送ってくれました。私はといえば俳句に親近感を覚えたといっても実際に作句して句会に参加するようになるには更に20年以上の時間がかかりました。
 この「坂道や」の一句は平明な言葉と冬の空の清冽なイメージが北国育ちの私の心に激しくも懐しく迫ってきて忘れられない作品です。しかも私を俳句世界へ導いてくれるきっかけになった大切な一句です。

  

◆次回の定例句会は、2月8日(土)午後1時30分〜4時
                     於 高井戸地域区民センター
              兼題は「立春」・「海苔」です

◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)(俳句会事務局長)まで
                 TEL 090−3145−2654

◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
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