活動報告 - 俳句同好会 (白木蓮俳句会) (H.30.4.14)  No.98

俳句同好会 (白木蓮俳句会) (H.30.4.14)  No.98

カテゴリ : 
俳句同好会
執筆 : 
m-anzai 2018-4-23 13:22

◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
    
・4月の作品の紹介
・4月の兼題は、「卒業」・「当季雑詠」で3句です。
                出題:安西 円覚
                選句:俵木 陶光
        

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校塔に鳩多き日や卒業す   中村 草田男
山彦を山へかへして卒業す  遠藤 若狭男
下宿去る荷の中に寝て卒業子 黒坂 紫陽子
雇女の隠し子にして卒業す  笹山 呑海
これよりは恋や事業や水温む 高浜 虚子

 
 
俵木 陶光

・明日からは一人の道や卒業す


岡村 一道

・落暉いま埴輪の笑みに散る桜


芳村 翡翠

・教室にまっすぐ響く卒業歌


長岡 帰山

・ひとはみな生きて流さる花筏

片山 朝陽
 ・一面に空を映して田植待つ

安西 円覚
 ・卒業生送る校庭鴉二羽

中邑 雅子
 ・聞こえ来る卒業歌あり口ずさむ

小林 美絵子
 
・アネモネや包を開く京の菓子


坂井 百合子
 
・卒業証書授与さる吾子の大きな背

浦田 久
・満開の花に囲まれ卒業す

堀 秀堂
・父母も教師も共に卒業す

山下 天真
・喜びが野原を走る春休み
  
菊池 幸

・歳月を重ねかさねて花衣


村林 小枝子

・見上ぐればこれぞ桜や空の中

               
五井 夢     
・人生を短く卒業せし君よ



                          
◆<3月10日逝去された山口月山さんへの追悼文>俵木 陶光

   
「梅雨曇り僅かに重し舞扇]
山口 月山

幕末、ペリー来航の頃、若狭(福井県 )小浜藩、尊攘派であった梅田雲浜(うんぴん)は安政の大獄で捕えられ獄死したが彼らを育てたのは山口菅山(かんざん)で 山口月山さんの先祖に当たる。
また月山さんの父君は戦前裁判官として一家共々ピョンヤンに居られたが敗戦とともに立場が逆転し頼山陽の「鞭聲粛々 夜河を過(わたる)」漢詩よろしく難を逃れて帰国された由。当時朝鮮半島にいた在留邦人の立場は大変であった。

月山さんとの交流は次のようなところから始まった。
小生は中央大学を卒業しその1年後神田のK女子大学の教務課に勤務していた。それから10年後、月山さんが日本橋に本社?がある繊維会社の経理課から転勤されて来られた。(月山さんの体躯から教務課長から警備課と聞き間違えた位であった。)後日、月山さんとは大学・学部が同期であることが分かった。
  その時から数年後、職員会の中で俳句会が誕生し、二人とも会員となった。中心となった川津鱒子氏は良き指導者で句集も数冊出されていた。小生がミニミニ句集を作った時、こんなことを書いたことがある。「『少女ときに女豹の如く林檎食む・川津鱒子』に新鮮な驚きを感じ俳句に遊ぶようになった」と。
 その鱒子先生は亡くなられ指導を受けたのは7年半ばかりであった。大学以外の「武蔵野俳句会」はその後も季刊誌を出し続けて100号で終刊となった。これも月山さんと一緒だった。小生はずっと編集も手掛けていた。
  月山さんと二人、鱒子先生を含めて三人は新宿大ガードの近くのビルの地下にある「入舟」という酒場によく通った。ここのママさんも別の俳句の仲間であった。先生は作詞・作曲の「桐の実」を、月山さんはロシア民謡、陶光は日本民謡などをよく歌っていた。
 大学を定年退職してからは、OB会の中に白木蓮俳句会を立ち上げ、句会も昨年200回を超えた。
 月山さんとの交流は50年になった。その間お互いによく言い合った。高浜虚子が河東碧梧桐が亡くなった折に追悼句として「たとふれば独楽のはじける如くなり」と詠んだ。この句の前書には「碧梧桐 とはよく親しみよく争いたり」とある。月山さんともこんな状態であった。

最後になってしまったが、掲出の句について言えば45年前、泰山木俳句会第1回目の出句である。舞扇が僅かに重いとは驚いた。緊張感あってこその表現であろう。これが俳句だと思った。その時の小生の句は「冷や汗をぬぐい終りて 麦茶飲む」であった。正に冷汗ものである。これに発憤して次号には何とか納得できる句が出来て自信が出来た。月山さんとはいずれまた雲の上で俳句の話をすることもあるだろう。以下、月山さんの「訃報」のところに書いた以外の句と鱒子先生の句を数句掲げることにした。

・戦友を焼く煙真直に鰯雲    川津 鱒子     
・送別会の酒買う泰山木の花
・四月馬鹿叩けば音の出るラジオ
・メサイアを聴いて有情の時雨坂
・天茫と芽吹く雑木の漂う色                             


・早笛に餘寒風捲く修羅の舞     山口 月山
・春宵の銀座ことさら若々し
・カンバスを構へて初夏のみどり置く
・信濃路をゆけば折しも蝉時雨     
・冬涛や流されびとの島はるか
    
  

◆次回の定例句会は、5月12日(土)13時〜15時40分
                  於久我山会館
 兼題は、「風薫る」・「当季雑詠」の3句提出
                                     ◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

◆文責:  俵木 敏光(陶光)

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