活動報告 - 俳句同好会 (白木蓮俳句会) (H.29.2.11)  No.84

俳句同好会 (白木蓮俳句会) (H.29.2.11)  No.84

カテゴリ : 
俳句同好会
執筆 : 
m-anzai 2017-3-7 23:46

◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。今回も新しい方の投句がありました。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
    

・2月の作品の紹介
・2月の兼題は、「春を待つ」・当季雑詠で計3句です。




俵木 陶光

・校門に佇(たたず)む親も春を待つ


岡村 一道
・春近し雷門の車夫の声


芳村 翡翠

・箱根路の春待つ車窓明るくて


片山 朝陽
 
・バイカル湖の夢さめやらぬ浮寝鳥

安西 円覚
 ・凛の音かの世に消えて桜餅

峯岸 まこと
 
・弟(おと)逝けり澄みたる空や春隣


長岡 帰山
 
・待春や新横綱の土俵入り

中邑 雅子
 
・餅菓子の餡の冷たさ春浅し

小林 美絵子
・ラッパ手にはじめて触れし花菫

坂井 百合子
・やはらかき光のホーム春を待つ

五井 夢
 
・長雨に衣(きぬ)掻きあはせ蕗の薹

浦田 久
 
・いささかの運動八十路の春を待つ


堀 秀堂
 
・薦巻きて春待つ木々の兼六園


山下 天真

・剪定の春待つ枝を惜しみつつ


村林 小枝子

・木々の芽もあかぎれの手も春を待つ


寺崎 由岐子
 
・立春や巣立つ若者晴れ姿
                                      

◆<私の一句>           
俵木 陶光

 
空襲を逃れし多摩湖春深し   陶光

 昭和19年(1944)は第二次世界大戦(太平洋戦争)の末期でサイパン島の日本守備隊玉砕、神風特攻隊、学徒出陣があり、その翌年の昭和20年には東京大空襲、原爆投下、敗戦となったが多摩湖、狭山湖は無事。東京の水瓶は難を逃れることになった。その年の4月私はまだ戦時下の全寮制の中学に入学した。大岡昇平「武蔵野夫人」の多摩湖畔のホテルが新入生の寮であり、10名ずつの班に分かれ、一誠隊、富岳隊、御盾隊などと数字に因んだ名がつけられていた。私は無窮隊だった。夜窓から見ると都心が空襲で空が真っ赤な時もあった。空襲も激しくなり、東京の水瓶、多摩湖(村山貯水池)等を守ろうとして、しゃれた取水塔の模造品を竹で離れた所に編みはじめたようだ。しかし巨大な取水塔を作ることは不可能だったらしく放置されたままになっていた。
 寮生活は朝起きると全員で布団の上に正座して明治天皇御製の歌を朗誦し、列をつくって山を降り、校舎に正座して「箸とらば・・・」と祈りを捧げ朝食をとり、授業に入った。まだ仮校舎風の大きな平屋の建物3クラスと教員室が4隅を占め中央部が色々な行事に使われていた。最近問題になっている森友学園のことがあり、当時のことを思い出した次第。当時は一億総戦時下であった。
 大学を卒業後、暫く経って同人誌に参加し創作や俳句などを投稿し編集もしていた。ある時、年輩の同人で東京都の水道局に知り合いの人が便宜を図ってくれるからと春のピクニックが計画された。なんでもランチが出るということだった。どんなランチかなと楽しみであり、誰も昼食は用意して来なかった。が、ランチというのはlaunchのことで湖面を走る業務用の小型船のことであった。大笑いとなって友人と一しょに弁当を買いに走った。桜が満開であった。
 この同人はマイペースの人で決して相手のペースに巻き込まれることはなかった。俳句の指導的な人であったが、あまりやかましいことは言わなかった。何でも学生時代、川端茅舎に傾倒し「舟底に傾きてあり秋の水」で激賞された由。岸に打ち上げられたボートの中に溜まった水と秋、なるほどと思った。
 川端茅舎は画家川端龍子の異母弟である。
 代表句として3句。
     金剛の露ひとつぶや石の上   茅舎
     ひらひらと月光降りぬ貝割菜  〃
     朴散華即ちしれぬ行方かな   〃


                     


                      
◆次回の定例句会は、3月11日(土)午後1時〜3時40分
               於 久我山会館   
 兼題は「木の芽(時)」・当季雑詠で計3句です。

                                     ◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)

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